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君に出来っこない

●あなたがやろうと思った目標に対して、周りの誰かが「君には出来ない」と言う時がある。そう言われたとき、あなたは心の中でどのような反応を示すだろうか?

●ある人は、「やっぱりそうか、自分でもそう思っていたんだ」と妙に納得し、挑戦をやめる。別のある人は、「ふん、何言っているんだ」と無視したり、言われた言葉に対して幾らかのダメージを負ったりする。
ごく少数の人たちは、「出来ない」と周囲に言われると俄然やる気になる。むしろそう言われれば言われるほど、快感を覚え、やってやろうという意欲が満ちる。


●世界中で目標設定とモティベーション開発を目的にした自己啓発教材を売っているある会社の創業者もそんな勇敢な人物の一人だ。

アメリカンドリームを夢見、大学を中退したばかりの彼は生命保険セールスマンの道を選択した。アメリカ西海岸を中心に、彼は精力的に就職活動をした。だが、予期に反してどの会社も彼を雇ってくれない。数十社ほど回ったが全部ダメだった。

●負けず嫌いの彼は、面接官に向かって食ってかかる。「完全歩合制のコミッションセールスなのに、どうして雇ってくれないのか。私はお宅の会社のどんな先輩セールスマンよりも長時間誠実に働くことを約束する。だから雇ってほしい。もし結果が出せなかったらクビにしてもらって構わない。」

●それに対して面接官は冷徹に、そして我が子を諭すように彼に語りかけた。

「あなたの情熱はよく理解できるし、素晴らしいことだと思う。だが、当社があなたを必要としない理由は三つある。まず一つは君の年令。19才とあまりに若いではないか。保険を売るにはあまりに若い。二つめには君の学歴だ。いくら学歴無用のアメリカンドリームとは言っても残念ながら金融ビジネスの我々には、大学卒業の学歴は必要なのだ。そして三つめは君自身の問題だ。」と前置きし、これ以上はないような冷や水を彼にかけた。

●「君の性格は内向的だ。とても社交性など持ち合わせているようには見えない。セールスマンを目指すような性格ではないはずだ。それにあなたはドモリますよね。これはセールス職にとっては致命的に近いハンデだ。」

●もし私が19才だとして、大のオトナにそこまで言われれば、ガクッときて保険ビジネスへの就職を諦めていたに違いない。だが、負けん気の彼は想像を絶する発言をした。

「あなた方は何年かしたら後悔することになるでしょう。なぜなら、きっとこの私が保険業界の記録を塗り替えた男として話題になるからです。」

●あ然とする面接官に礼を述べ、彼は席を立った。

それから9年後、彼の名を知らぬ保険セールスマンは誰もいなくなった。捨てぜりふとしか思えない彼の発言が真実となったのだ。

●「君に出来っこない」と言われても、あなたがそれを受け入れない限り不可能はない。