●昨日、その1をお届けしたこのレポート。四国や北陸地方の読者からメールが届いている。「8月の中国ツアーに関心があるから詳細を知らせてほしい」というものだが、まだ事前視察の段階であり、どなたかを同行できるかどうか不透明だ。来週前半までにそのあたりも決めるので続報をお待ち願いたい。
●さて、さっそく筒井社長のレポート第二弾も大変興味深い内容だ。さっそくご紹介したい。
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7.「華僑商法」について・・・華人経営者のものの考え方
・華僑の大半が広東省、福建省出身者である。
・華僑は基本的に商業主義的考え方を持つ。(工場を持たない)物流により日銭を稼ぐ。三年で総投資額を回収できないような長期投資は基本的にしない。
・一つの会社を大きくするより、二つの会社を作る(上場は目的ではない)
・目立つな。目立てば叩かれる。
・金融資産を多く持つな。現金より物(不動産も物と考える)を持つ
・身内しか信用しない。(社員も政府も)
・華僑は地球規模で投資効率を考えている。・・中国から出て、中国へ投資する。
・広東省への投資は基本的に香港経由でおこなう。
8.華南地区(珠江デルタ)に注目せよ・・中国全輸出の40%、上海輸入の70%を占める。
・深セン・・・市内は観光、サービス、流通基地(郊外に生産基地を
持つ)
・東莞・・・委託加工生産の拠点(世界のPCの70%生産)
・広州・・・空港、コンテナー港等、インフラが整備されている。
日系大手が進出(本田、松下、三菱、日産等がある)
・珠海・・・日系大手が進出(キャノン、ブラザー、松下電工等)
・順徳、中山・・同上
※台湾系企業が目立つ。
※日系メーカーは部品の調達を日系から現地企業に切り替えている。
(義理人情は徐々に通用しなくなっている。)
9.中国工場経営の実務上の注意事項
・相手との約束は出来るだけ詳細な契約書、ルールやマニュアルを決める
・作業マニュアル(指南書)を作る。・・・生産行程、検品、出荷など
・就業規則を作る・・・信賞必罰、罰則規定を必ず設ける事
・日本的経営(年功序列、平等主義、温情主義)は通用しない。
・中国人(香港人含む)には終身雇用の意識が無い・・・企業が人を選ぶ様に、社員も会社を選ぶ対等な関係がある。
・彼らの勤める目的は、将来自分が独立する為の知識、技術、経験を積むためである。
・優秀な社員にとって独立するか、幹部で迎えられるか、どちらかである。
・同じ社員食堂で食べない 同じユニフォームを着ない
・ゴミを拾わない、 車を押さない(美徳ではない)
・一部の社員に特別な待遇をしない
・資材代金の支払は通常、契約時に30~50%、残金は納品時に全額払い。
・支払条件は中国では大手も中小も同じ扱いをされる。
・部品メーカーは、自らその部品の前後の生産分野を取りこみ、自社で内製化する。
・部品の購入はあくまで日系にこだわらずに、現地メーカーからも購入する。
・初期投資は極力押さえ、現地法人は設立せず、委託生産から始める(法人税現地法人を設立しない委託加工なら、法人税は発生しない)
・中国内販売については、自社で市場を決める。(相手任せにしない)
・労使紛争について・・・委託加工なら直接雇用関係は無い。腹心の中国人を置く
・中国が人冶社会だと思うあまり、人脈に頼りすぎてもいけない(徐々に法治社会に)
・中国人と真の友好関係を築くには、長期間を要する.・・ビジネスは最初はドライに。
10.現地経営の成功要因
・海外進出で成功した企業は「良い現地人管理者に恵まれた所」である(派遣社員と現地スタッフの能力次第である)
・失敗の原因は、派遣日本人の能力の欠如である場合が多い・・・本社で不要な人など
・日本側・・不用社員と中国側・・大卒(日本と違いエリート)(仕事に対する取り組みに大きなアンバランスが生じる)
・日本人と比べ、中国人大卒はエリート意識と向上心が格段に強い。
・それなりの、役職と給与を保証しないと直ぐ止める。
・納品先に頼った進出だけでは、将来性が無い。日系同士の取引きでは利益が出ない。(本来海外進出とは、系列から脱皮するチャンスと考えろ)
・自社のライバルは、日系同業者だけではなく、台湾系、中国系である。
・日本の中古機械と中国製新品機械は、中国製にすべし(将来、部品の取り寄せ、取り替えに時間と費用が掛かる)
・「香港法人はオフィス経費が高いので、上海に移転する。」という議論はもともと役割が違う。香港は不況を反映しデフレ傾向が強く、上海と比べ必ずしも高くない。
11.まとめ
・中国内に資産を持たない。(現地自社工場生産は最後の手段)総て郷鎮企業からの借り物で
・中国工場に委託生産、香港に現地法人を設立
・製品全量を輸出の条件で、部品、原材料、設備機械を総て免税で中国へ入れる出来た製品は、香港内の手続きで中国内販売も可能となる。
・ワーカーの賃金は過去五年間据え置き、今後も当分上がらない。彼らは残業、休日出勤を歓迎している。
・広東省は中国全土に向けた物流の中心地・・・
・上海での製品,部品,機械などの70%が広東省の港から陸揚げされている。
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筒井さんの経験から生まれる知恵を惜しげもなく公開して下さってありがとうございました。
★筒井社長が主宰するサイト「JCDIRECT21.NET」は、日本企業が中国へ進出し成功するのを支援しています。ご覧下さい。
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の作者の吉江勝さんからメールを頂戴しました。ご紹介します。
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遅まきながら先生の新作読みました。恥ずかしながら感動して泣けてきました。妻に見られて言い訳に苦労しました(笑)。私はこの本の名言や教えをカセットテープに録音して暇があると聞いています。これはいいですよ。先生や偉人たちの教えが心の中に染み込むのを実感しています。この本は読むだけではもったいない、まさに使う本です。前作に続いて感動をありがとうございました。
吉江勝
PS・高橋浩子さんの本に感化されてメルマガはじめました。
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吉江さん、がんばりましょう!