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老剣士のつぶやき

●老剣士がスパッと切った。研ぎたての青々とした刃先をもつ刀で、わら人形を一瞬で切ったのだ。力は入れていないようだ。刀の重力を利用してシャープに振り抜いただけだ。

この老剣士は、今日も明日も明後日も、一日に一体のわら人形を切っていった。そして三ヶ月が経過した。明らかに切れ味が鈍ってきているのがわかる。だが昨日にくらべればほん少し切れ具合が鈍くなっただけだから気にしない。

●さらにあれから1年が過ぎた。剣士の様子がなんだかおかしい。研ぎたての頃は、惚れ惚れするほどカッコよく、なおかつ静かに人形を切っていたいのに、今の切り方はいったいどうしたことか。
「フムッ!」と大声を出し、切り口もザラザラで、切った後には息が弾んでいる。仲間が気になって「どうしたの?」と聞くと、淋しそうに「老いたのさ」と苦笑する。

●実はこの剣士は老いたのではない。
剣を研いでいないだけだ。
なぜ研がないのか?

1.剣を研ごうと思っていない
2.剣の研ぎ方がわからない
3.剣を研ぐ時間がない

のいずれかだ。

●あなたの人生やビジネスにおいて「剣を研ぐ」ことに相当するものは何だろう?
それは本を読むことか、勉強することか、人と夢を語りあうことか、一人静かに考えることか。

●今日の私の提案。それは、「剣を研ぐことを毎日の日課にしよう!」というものだ。そしてあなたのスタイルで剣の研ぎ方を決めてほしい。

●剣を研ぐということを完全にマスターしてしまうまでは、毎日の日課にしてほしい。
アメリカの思想家ウィリアム・ジェームズは「30日間繰り返した行為は習慣になる」と語っている。少なくとも30日間はあなた自身の剣を研ごう。

●山形非凡会に参加された会津若松のAさん(47才)は午前二時起床し、二時間散歩するという習慣の持ち主だ。これは学生時代から続いている習慣だという。それを聞いてびっくりした私は、「何時に寝るのですか?」と聞いたところ、「7時半だ」という答えが返ってきて二度ビックリ。夜の楽しみがなにもないではないか。事実、非凡会で我々が午前2時半まで盛り上がっていたところ、彼は自室で午後九時には眠っていた。


●きっと、Aさんにとっては、夜の楽しみよりも早朝(未明)の楽しみのほうが大きいに違いない。夜も朝も楽しむことはできない。どちらをとるかは二者択一なのだ。少なくとも知的生産という面においては朝に軍配があがる。剣を研ぐには朝がよいのだ。


●昨夜の出版記念講演in名古屋では、毎朝10分間だけ自分と対面するための「作戦タイム」を設けよう、という提案を申し上げた。それが新著『朝10分 熱い経営実現シート』の主旨でもあるからだ。すると参加者から、「夜ではダメか?」というご質問を受けたが、ベストは朝の始業前だ。できれば早朝の霊気あふれる時間に鎮まって刀を研ぎたいものだ。