今、新幹線でこの原稿を書いている。今夜は福岡でセミナー開催。そして明日は鹿児島へ移動し、ジャンボタクシーで歴史ツアーを開催する。鹿児島は数年ぶりで、西郷さんゆかりの地や示現流の史料館、知覧特攻平和会館などを見て回る。
知覧でのもうひとつの楽しみは有名な知覧茶を買うこと。おいしいお茶をいただくには、茶葉を奮発するにかぎる。
★薩摩ツアー→ http://www.e-comon.co.jp/session/?p=3676
そういえば茶の間で「お~い、お茶」と、かみさんにお茶を煎れてもらう場面が久しくない。必要なドリンクはペットボトルや缶入り飲料などで確保してあるからだ。
急須でお茶をいれてもらうことから遠ざかること 10年、ちゃぶ台返しから遠ざかること 20年。
そういえば、27年前に結婚したときには、風呂敷につつまれた立派な木札を妻がみせた。なにやら自慢げな顔をしている。「なにそれ?なんて書いてあるの」と尋ねてみた。すると、それは裏千家の免許皆伝の札で、”なんとかソーレン”と書いてあるらしい。だがそれっきりのことで、お茶のいれかたはいたってノーマルで、さすが免許皆伝!という腕前を披露されたおぼえはまだない。
そういえば、今日 2月28日は茶の湯関係者にとって何かと縁が深い。
なにしろ今日 2月28日は千利休が秀吉との確執で切腹を命じられた日なのである。千利休の命日にあたることから「利休忌」と言われ、各地でイベントが催されている。
もうひとつ今日 2月28日は岐阜県土岐市が制定した「織部の日」でもある。千利休の亡きあと、秀吉の茶頭(さどう)になった古田織部が歴史に初めて登場したのが 1599年の今日で、奇しくも利休がこの世を去った 8年後の同日なのである。
2月28日という特別な一日に思いを馳せながら、ひたすら西へ向かう。
今日はふだんよりも味わってお茶を飲もう。