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熱いゲーム業界

「がんばれ!社長 本気講座」で真っ先にお話しすることは、高収益・高成長・好財務・好待遇の四条件をすべて満たす会社を作りましょう、という提言である。

高収益・高成長というところを、適正収益・適正成長に置きかえても構わない。低収益・低成長・劣悪財務・劣悪待遇という会社など拒否しましょうというわけだ。

そして世間にはそんな四条件をすべて満たしている会社がどれだけあるのか。全上場企業の中から調べてリストにしたものを講座受講者に配布している。営業利益率が 10%以上、自己資本比率が 50%以上、直近 5年間の営業利益平均成長率が 10%以上、社員の平均年収が 450万以上の会社である。日経会社情報には 3800社の上場企業データが載っているが、それをつぶさに調べていく。

ネット証券のスクリーニング(銘柄検索)機能はかなり優秀だが、私が欲しいデータは手作業で収集するしかない。日経会社情報(または会社四季報)が年に 4回発売になるが、そのたびにリストを手作業でメンテナンスする。それは一週間を要する作業だが、日本経済の実態がすべて分かるような気になるのでやめられない。

現時点で四条件をすべて満たす会社は 57社あるが、そのうち 24社(42%)がネットと通信関連の企業である。そして 9社がゲーム会社である。ゲーム専業会社もあれば、ゲーム以外も手がけている会社も含まれる。今もっともウケに入っている業界といえよう。

その最大手がガンホーオンラインエンターテイメント(企業コード3765)だ。スマホ向けゲーム『パズル&ドラゴンズ』、通称「パズドラ」を昨年2月に iOS 版として発売。9月には Android 版も出した。このゲームが 1年で 1300万ダウンロードを突破する超大ヒットとなった。ゲーム自体は無料だが、進めていくと課金して遊びたくなるように出来ている。その課金総額が百億円単位にのぼっている。今年 1月だけで 70億円を突破し、あの『ドラクエ7』の販売額を上回ったともいう。
→ http://game-news.doorblog.jp/archives/24878150.html

かつては任天堂やセガなど、パッケージゲームを 5千円や 1万円で発売していたが、その市場は縮小している。それに替わって伸びてきたのがディーエヌエーやグリーが提供するゲームポータル。パソコンや携帯電話で遊ぶゲームである。「モバゲー」や「グリー」にアクセスすればそこにはいろんなメーカーのオンラインゲームが集まっている。ディーエヌエーやグリーから「コイン」という名の課金をプリペイドしておけば、そのポータルすべてのゲームに共通マネーとして「コイン」が使えた。したがってゲームメーカーはこぞってディーエヌエーとグリーと契約を結んだ。

だが昨年、そのスタイルに風穴をあけたのが「パズドラ」である。ガラケーからスマホが主流になった今、ディーエヌエーやグリーを通さず、iOS と Android 向けに開発したアプリをそれぞれのサイトから直販すれば良い。それをものの見事にやってのけたのが「パズドラ」のガンホーオンラインなのである。その結果、同社の業績と株価がどのように化けたのか。明日につづく。