2020年の五輪開催都市はどこか。いよいよ一ヶ月後の 9月7日(日本時間 8日)に決定されるわけだが、東京がややリードしているという論調が多い。しかしこればかりは投票箱を開けてみるまでは誰にも分からない。招致委員会の試算によれば、約 2兆 9609億円の経済効果があるというだけに、是非とも東京で開催してほしいものである。
そこで今日は「五輪関連」について。仮に東京で五輪が開催されることになった場合、今年以降 2020年までの間にどのような仕事が発生し、どんな業種や企業が潤うかを想定しておこう。また、あなたの会社でどのようなことをすれば五輪関連として業績が伸ばせるのかもあわせて考えよう。
まず決まっていることは、招致決定後 5カ月以内に「組織委員会」を設置し、競技会場の建設が始まるということだ。コンパクトな大会を目指す東京五輪ではアスリートの移動負担を軽くするために、晴海の選手村を中心として半径 8km圏内に主要な競技場を設置する予定である。そのために新たなプールやバレーボールコートなどが必要になるので建設ラッシュ、道路工事ラッシュが始まるだろう。
また、現在の国立競技場は建て替えのため一時閉鎖し、来春から新たなメインスタジアムの建築工事が始まることになる。技術者や職人が全国から東京に集まるだろう。セメントや鉄骨などの資材が高騰し、建機がフル稼働になる可能性がある。
業界でみれば、建設、セメント、道路、不動産、観光、宿泊、レジャー、外食、放送、広告、警備、人材派遣、スポーツ用品などが特需の恩恵を受けるだろう。
ボランティア人材の派遣やトレーニングなど教育・訓練ニーズの高まりもあるだろう。そうなれば、トレーナーやコーチ、コンサルティングの業界にもチャンスがある。
「うちは地方都市なので東京五輪は関係ない」と決めつけるのは早計だろう。何らかの余波は必ずあるし、あらゆる話題を自社のビジネスに結びつけて考えるクセを付けていこう。