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飲み会の達人

「この数年、家で夕食をとった日は一日もない」と豪語する若手経営者 E 社長 (48歳)。ライオンズクラブ、中小企業家同友会、商工会議所、倫理法人会などたくさんの会で活動している。個人的にはゴルフとスカッシュが大好きで、そうした相手とのプレイのあとの懇親会も多い。客先の接待や同級会の幹事など、公私あわせて月間 40回以上の夕食会が毎月入っているというのだ。

そんなに飲み会を入れて会社と家庭と身体は大丈夫なの?と疑問に思うが、今日の主旨は別のところにある。彼の飲み会参加システムがよくできているのでそれをご紹介するのが本題である。

40回の夕食ってどういうことだろう。E 社長に聞いてみたら、多い日には夕食会が三回になる。なので、生活の知恵が生まれて、原則的に次の三枠で時間帯をセットするというのだ。さらに、ここが大切なポイントなのだが、一回の会食は 2時間までと決め、決して延長をしない。3時間、4時間に及ぶ飲み会はしない。二次会も行わないと決めているそうだ。

時間枠は次のように決まっている。

・ A 時間枠…17時~19時
・ B 時間枠…19時~21時
・ C 時間枠…21時~23時

このように決めておけば、日に三回の会食が可能になる。そして、同じメンバーと二次会はしない。仮にそのあとの時間が空いていても、きっちりと二時間で切り上げる。

A 時間枠では アルコールフリーのビールにワインでオードブル程度で軽く済ます。商談や打ち合わせなど資料を交換しながらの会食にふさわしいお店が使われる。

B 時間枠は、お酒と食事がメインの純然たる懇親会。もちろん仕事の話もするが、他愛ない話もする。食事と酒の質にある程度こだわる。若者が集まって大声を出す店には行かない。

C 時間枠は、クールダウンを心がける。この時間に会う相手はたいてい気心が知れた仲間か多忙な商談相手である。カクテルだけで終えることもできれば、ちょっとした夕食もとれる鉄板ダイニングバーをよく使う。

これは E 社長の 生活の知恵のようなシステムだが、もし懇親会が20時からと決まっていたらどうするか。その場合には B 枠を使って20時から 21時の 1時間だけ参加する。仮に C 枠の時間が空いていたら、上限 2時間というルールを守って 22時に先に引き上げるという。

「実際にはこの通りにならない日もありますが、このルールを今年の始めに作ってから以降は、半分以上がこの通りになっています」とE 社長。

会食や懇親会など、夜のおつき合いが多い方には参考になる知恵ではなかろうか。