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楽しんでる『ヤツ』にはかなわない

Rewrite:2014年3月20日(木)

競馬の名調教師:藤沢和雄さんが、「馬も楽しくなければ走らない」と言われた。競走馬が持っている速く走る本能だけでなく、どうやら人間を喜ばす本能や、人間といっしょに楽しむ本能も持ち合わせているのではないか、というわけだ。私はこの話を聞いたとき、思わず膝を打った。

「まるで人間と同じだ!」

その日の夜、さっそく私は「エンジョイの法則」というものを考案した。「法則」と言うほどのこともなかろうが、その中味はこうだ。人間が情熱をもって仕事をし、潜在能力を発揮する環境になるには、楽しみ(エンジョイ)が必要で、しかも複数の楽しみがなければならないという法則だ。

経営資源は人・物・金・時間などを拡大再生産する仕事と言われる。そのなかで何が自分にとって楽しくエンジョイできるか、という目で見つめ直すわけだ。

1.「人」・・・仕事仲間との人間関係・信頼関係は好ましいか?また、顧客との関係はどうか?

2.「物」・・・自社の扱い商品・技術が好きか?

3.「金」・・・必要な利益・収入を得ているか?

4.「時間」・・・自由に使える時間が取れているか?

これらの4項目の中で、複数の「YES」があれば、良い環境にある。0個または1個しかない場合、ストレスが蓄積しやがて燃え尽きるかも知れない。もしこれが従業員であれば、辞表提出予備軍だ。

経営が順調で活気があふれている会社は、この「エンジョイの法則」で得点が高い。なによりも社長自身がこの得点が高い。要するに、おもしろおかしく仕事できるようにするにはどうすべきかを考え、それに近づくような経営のかじ取りをするのだ。

先の藤沢調教師によると、本場イギリス競馬界ではサラブレッドの調教のときには、調教師も馬もいっしょに楽しめるようなトレーニング方法を次から次へ開発しているそうだ。ようやく日本でもそうした楽しむトレーニングが一部で始まった。「歯を食いしばる」ことや「石にかじりつく」ことばかりが経営戦略では楽しめるはずがない。

この「エンジョイの法則」を考慮しながら経営もビジネスも進めていただきたいものである。