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テイスティングと切り売り

7月某日。名古屋でもようやくセミの声が騒がしくなりはじめた頃、百式の田口さんから電話が入った。

「武沢さん、渋谷にちょっと面白いワインバーが出来たようなので行きませんか?」さっそく行ってみると、たしかに面白くワイン選びに熱中してしまう。

カウンター越しには、400種類ものワインがずらりと並ぶ。その中から好みのワインをオーダーするのだが、発注単位がちょっとユニークで、グラス、ボトルという単位の他に、50CC、100CCという単位もあるのだ。

1本3万円するワインを飲む機会はそんなに多くはないが、50CCで飲めば2000円程度で飲める。これなら毎週だってOKだ。私と田口さんは二人で10杯以上飲んで3200円。決して安いワインを選りすぐっていたわけではないが、夕食後の仕上げに立ち寄るには最適だろう。テイスティングワイン・ブティックの名に恥じない。

さて、今日の「がんばれ社長!」は、このお店をご紹介するのが主旨ではない。アイデアを学びたいのだ。この店舗のシステムを支えるのは特許出願中のワインセーバーである。小口販売してもワインが酸化しない技術を開発したからこそ50CCからの販売が可能になった点に注目したい。

キーワードは、「テイスティング」と「切り売り」だ。

この話を、とある企業でお話ししたところ、役員の一人がハタと膝を打って「それだ!そのニーズを調べてみよう。」と興奮しておられた。その理由を尋ねると、「切り売りするというニーズがあるはずなんです。その渋谷のワインショップはワインを切り売りする技術を開発したんですよね。そこから連想したのですが、当社でも今までのサービスを切り売りしてみて利益が確保できれば、それが新たな競争力になるかも知れないと思ったのです。」

上記の例、いまのところ業種は伏せておくが、この業種では、今まで“切り売り”するなどという概念はなく、もしそれが可能ならば顧客は大助かりしそうな業種である。

クィックマッサージやコインパーキングなど、“切り売り”ビジネスは今に始まった話ではないが、あなたの事業にそれを当てはめることでまったく新しい何かが生まれてくる可能性もあるはずだ。“テイスティング”とあわせて一度お考えいただきたい。

「エブリデーワイン:dec five」 http://www.everyday-wine.com/
百式 http://www.100shiki.com/