Rewrite:2014年3月27日(木)
私はプロ野球のシーズンオフが好きである。日本シリーズが終わった11月から3月のオープン戦最終戦までの期間が好きなのは、チームの補強戦略や育成の様子が毎日報じられ、球団ごとの方針の違いや経営力の差をつぶさにみることができるからだ。
強いチームほど選手の新陳代謝が激しい。一軍二軍の選手枠が決まっている以上は補強したければ放出せねばならないのだ。うがった見方をすれば、退団選手が多い順に強いということになる。
以下が、退団選手の多い順にみた今年のペナント予想である。専門家の順位予想とあまり大差ないことがおわかりいただけるだろう。
<セリーグ> ( )内は今年退団した選手数
1位:巨人(19人)
2位:広島(18人)
3位:横浜DeNA(17人)
4位:阪神(16人)
5位:ヤクルト(12人)
6位:中日(11人)
<パリーグ> ( )内は今年退団した選手数
1位:ソフトバンク(23人)
2位:楽天(21人)
3位:オリックス(16人)
4位:埼玉西武(14人)
5位:千葉ロッテ(13人)
5位:日本ハム(13人)
これでもし、中日と日ハムの日本シリーズになろうものなら、私は頭を丸めねばならない。反対に巨人とソフトバンクの日本シリーズになれば大いに胸を張れるということだ。
新陳代謝が必要なのは会社経営も同じである。「和僑会」などのイベントで香港や中国、タイなどを訪問することが多いが、一般社員のみならず幹部の顔ぶれがわずか一年で大幅に変わっている会社がある。海外のことなので価値観や常識の違い、法律の違いもあろうが、それにしても日本の中小企業がほとんど毎年同じ顔ぶれであることが気になる。そんな中でイノベーション(変革)を起こそうとするのは大変なことだと思う。
ある程度人が入れ替わっていくことを促すことが望ましいと思うが、それを制度やルールにするのが難しければ、まずは社長の意識を少し変えよう。
「人が去って行くことは良い兆候である」という意識をもつことだ。その人が活躍するステージは終わって、新しい人が活躍するステージに変わったのだと考えよう。そうした意識をもつだけで閉塞感がかなり拭いされるはずである。
退団選手が多いチームほど強い、という仮説を今年のペナントレースで是非実証してもらいたいものである。