女性起業家の K さん とランチをご一緒した。ひつまぶしの店に行ったが長蛇の行列だったため、「矢場トン」にした。ここの味噌カツはほんのり甘く、肉質も上等でうまい。
「最近、Kindle で電子出版してるんですよ。小説を書きましてね」と言いかけたら、「ウオダイ物語は発売日に買ってすぐに読みました。Amazon にも書評をあげましたが、★五つです」と言われた。
書評がペンネームだったので気づかなかった。
K さんは子どものころから本が大好きで話題の本やベストセラーは大半読んできたという。必要に迫られて速読をマスターされたそうだ。たとえば『ダ・ヴィンチ・コード』(上中下巻あわせて約 1,000ページ)なら、夜 10時頃から読みはじめて午前 2時ごろには読み終わるという。私はあの本はひと月ぐらいかけて読んだ気がする。ひとたび本を読みはじめたら読み終わるまで眠くなることは決してない、という本の達人だ。そんな K さんが「ウオダイ物語は面白かった」と言ってくれたのは励みになる。
考えてみたら私も子どものころ、図書館にあった『宮本武蔵』(吉川英治)を借りて読むうちに時代小説や剣豪小説に目ざめていった。やがてそれが『国盗り物語』になり、司馬遼太郎ワールドにのめりこんでいく。したがって私のメンターは武蔵であり、龍馬であり、道三であり、信長であり、継之助であり、松陰であり、晋作である。
興味が湧いてきたので K さんにも聞いてみた。「今までのベスト本はなに?」
するとまったく予期せぬ答えが返ってきた。はじめて聞く本である。『少女パレアナ』という。どなたの訳なのか聞きそびれたが、Amazonで村岡花子訳本を購入した。愛と感動の不朽の名作とある。読んでみよう。