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読者メール

今日は読者からのメールを2本ご紹介したい。

一本は「金融アセスメント法」に関する質問。あと一本が、テロ事件以来、大打撃を受けている観光業界からだ。同業界最前線で若手ベンチャーの旗頭として活躍中の「株式会社エフネス」岡田社長からのメールだ。マスコミ報道とは異なるレポートだ。

金融アセスメント法に関する質問。

「金融アセスメント法」の概略については、マガジン11/30号でお届けした。お読みになっておられない方はバックナンバーをご参照願えれば幸いだ。

「がんばれ社長!」バックナンバー
e-comonサイト http://www.e-comon.co.jp/

質問1.銀行に対する評価・格付けを行う組織を作るということは、何らかの「力」が発生すると考えられます。その力は一種の権力とも思われますが、誰がその力や利益をもつのですか?

質問2.この法案の実効性そのものについて、署名推薦者の武沢氏はどのようにお考えか、意見をお聞かせ下さい。

私自身も細部まで熟知しているわけではないことをお断りした上でご回答申し上げる。

回答1.都道府県単位で「金融アセスメント委員会」(仮称)を組織し、銀行の活動内容や姿勢を評価・格付けします。
ただし、一方的な評価に偏らないよう、評価理由の公開、銀行側からの再審査ならびに異議申し立てのルールもあわせて作る予定です。
格付けする側には、たしかに「力」が発生します。
しかし、その「力」によって、特定の個人や団体が恩恵をこうむるというものではありません。むしろ、中小企業を中心にした借り手や地域社会が利益を得ます。

今までは、貸し手側にしか力がありませんでした。
誰が利益を得るか、それは借り手であり、地域社会です。

また、アセスメント委員会をどのようなメンバー構成にするかは今後の課題です。基本的には、貸し手と借り手と第三者で構成することになっています。貸し手も加わる予定になっているのがポイントですね。

回答2.実効性についてのご質問ですが、まずこの法案は、学者が机上で思いついたのでもなければ、中小企業者が怒りをもとに発案したのでもないことを申し上げておきます。

アメリカの「地域再投資法」という法律をベースにしています。この法律は、早くから金融自由化が進められた米国において、地域経済を守り、活性化させる役割を担う法律として高く評価されているものです。

金融の自由化は、国際レベルでの銀行サバイバル合戦になっていきます。その結果、今の日本の銀行のように、地域性や社会性を犠牲にせざるを得ない面があるのです。
それを予防する意味からアメリカに「地域再投資法」があるわけで、そうした機能を日本にも持ち込もうというものです。

法案として提出しようというものですので、日本では長い時間をかけて中小企業家同友会と、学者、法律の専門家、などが加わって骨格づくりを進めてきました。
そうした背景から、充分に実効性も検証されているものと私は信じています。

法案の骨子はこちらです。
http://www.chudokyo.gr.jp/katudou/kinyu_aces.htm

最後に、何しろまったく新しいスキームを作り出そうという試みですので、幾多の障害もあるでしょう。しかし、確実に貸し手と借り手の関係が適切に是正されてゆく法案だと思っています。

「金融アセスメント法」を国会提出するために、50万人署名を目標に、全国の中小企業経営者が立ち上がっています。あなたも署名集めにご協力いただけるなら、住所を書いてメールをお願いします。
署名用紙を郵送させて頂きます。  期限:12月22日(土)

メール宛先 mailto:take@e-comon.co.jp

アメリカレポート(ギャランツアー岡田)

当社は旅行関連ですから、甚大な影響を受けております。しかしながら、当社は旅行会社の後方支援サービス会社として、現在母体となっている『ギャランツアー』(航空券の仕入発券代行業)以外にも、新たな後方支援サービスを提供していこうと、テロ以前から起案していた新事業を、予定を繰り上げて立上げるなど、苦しいながらも活気を失うことなく、この時期を乗り切る事が出来そうです。

テロをきっかけに起案した案件の一つとして、当社の子会社であるトラベルビジョンが呼びかけて、『NY&ボストン視察ツアー』を実施しました。対象は、旅行会社に勤務する人。

業界の危機的状況の中、業界復興の為に今できる事は何か?それは、少しでも多くの環境客をNYへ送り、その人達に消費してもらう事であり、その為にはまず、旅行商品を販売する側が自信を持ってお客様に現地情報をご案内できなければ・・・・・という主旨です。実際にこのツアー添乗した者の報告書がありますので、一度読んでみて下さい。

『米国の最新情報について』 (抜粋)
先週トラベルビジョンのニューヨーク・ボストン研修旅行に添乗で随行してきました。簡単に現地事情について報告いたします。

出発のちょうど一週間前に発生したAAの墜落事故で、忘れかけていたいやな思い出が蘇り、さすがに私も今回の旅行には腰が引けました。これは、参加された方もほぼ皆さん異口同音にその心境を話されました。また、周囲の人からも「よく行くね」というような感想をもらされましたが、日本人のメンタリティーやその環境からすると、それらが大多数の偽らざる心境と思われます。

成田空港のNWのカウンターは、ガランとしていて通常の賑わいがウソのような状況で、業界を取り巻く深刻な事態を如実に反映していました。しかし、ゲートへ行くと今度は逆に、カウンターの状況がウソのように搭乗客でごった返しています。これらはアジア各地(中国、台湾、韓国、フィリピン、タイ、インド等)から米国本土を目指す人たちです。

当然機内も満席で、これにはビックリしました。UAやNWの成田以遠のアジア路線の展開を考えれば、ある意味当然であり、米国・アジア間の交流の多さを実感しました。

ニューヨークでも街中がサンクスギビングの直前、またクリスマス1ヶ月前ということで、非常に賑わっており、とても2ヶ月前に世界をあれだけ震撼させたテロの直撃を受けた街とは思えませんでした。

1年で一番消費が高くなる時期ということを割り引いても、街にショックは残っていないようです。また、テロの遺産による警備の強化で治安も格段によくなっていて、夜の外出も以前と比較すれば、天と地ほどの違いです。

日本のマスコミ報道はいつも極端であり、ニューヨーク中がいまだに大きな傷跡の中で喘いでいるような錯覚を持っていましたが、表面上はすっかり癒えているように思えます。
欧州からもどんどん観光客は入っており、IBM社は当初スペインで予定していや大きなイベントを急遽ニューヨークへ持ってきて実施したそうです。ホテルの稼働率も高いレベルになっているようです。

ただ、唯一違っているのは日本人旅行者を見かけなくなったことだということです。
企業の出張自粛や観光取り止めなどが影響しているわけで、現地オペレーターはどこも青息吐息です。現地へ行ってみて日本人の極端な行動は現地では奇異に写るようで、私達も実際に現地でそう感じました。

それから、もう一つ大きな変化は空港の保安体制です。これまでは現地の人もこれでいいのかというくらい、全く保安については頓着されていませんでしたが、車寄せでのポーターへの荷物預けはできなくなり、日本と同じようにチェックインカウンターでの手続きを求められます。そして、セキュリティチェックも数段厳しくなり、日本では鳴らないズボンのベルトでも機械が反応します。列はなかなか進まず時間は相当かかります。国内線でも2時間前には空港へ着いておかないといけないようです。これは米国に慣れた方にはビックリする状況ですが、旅行会社の立場としてはお客様に必ず伝えなければならない事項です。

今回の旅行を通して感じたことは、米国へ旅行することは全く問題がなく、むしろ今が行き時であるということです。一人でも多くの業界関係者がそれを伝え広めていかなければなりません。特に当社の営業担当の皆さんは、代理店の方々へ「全く問題がないこと」を積極的に伝えて下さい。業界では、JATAのハワイ向けイベントを始め、やっと米国向けの動きが出てきましたが、先鞭をつけたのは当社グループのトラベルビジョンであることを誇りに思い、需要復興へ向け努力を続けましょう。なお、現地旅行中にニューヨークやボストンの業界関係者から大変感謝されたことを、最後に申し添えておきます。

『米国の最新情報について』 (以上、抜粋でした)
株式会社エフネス CEO 岡田 直樹

“マインド”とか“イメージ”は、実態を正確に表すものではない。
来年2月の米国企業視察ツアーを中止したばかりの私としては、耳が痛いレポートとなった。