株式投資,投資

孫正義とARM上場

●9月14日(木)、米国NASDAQ市場に英ARMが上場した。同社は7年前にソフトバンクが3兆円で買収した会社で、当時は高い買い物をしたと報じられた。だが今回の上場で
ARMの時価総額は9兆円になり、あらためて孫正義氏の目利きが評価されることになった。

●昨年来、アメリカのみならず世界的に株式市場は軟調で、とりわけ新規IPO上場には
逆風が吹いていた。公募価格が想定より低かったことから資金調達計画がうまくいかず、
IPOを見送るケースもあったほど冷え込んでいた。

●そうした厳しい環境下でARMは上場時、公開価格を25%上まわる株価で初日の取引を
終えた。上々の船出と言えそうだ。
これまで孫正義氏はYahooに多額の出資をして成功。次いでアリババへの出資も大成功し、同社発展の原動力は目利きの力と言われてきた

●だが「WeWork」の投資の失敗で「私がバカでした」と反省してからは不調つづきで、ビジョンファンドも大赤字続きだった。そうしたなかでのAIブーム。
これまでスマホ用半導体設計で大きくなったARMもAIに舵を切る。
「ARMを上場するのは今だ」とタイミング判断し、今回の上場につながった。
孫さんには運がある、という人もいるが立派な実力だろう。

●ただARMのPER(パー、株価収益率)は90倍を超え、かなり高い。
半分になってもおかしくないほどの高株価であり、いかに期待値が高いかということ。
AIや自動運転といった新しい半導体で結果を出し、高い株価がダテではないことを証明
する必要がある。しかも速やかに。

●「ARMを最重要子会社と位置づけ、今後も保有する」と宣言した孫さんは上場の成功で一瞬の安堵を得たかもしれないが、真の試練は今後もつづく。

関連動画がこちら

★9/19(火)配信:「ARM」上場が注目されるのはなぜ?
      https://youtube.com/shorts/TcugVhvUfqk