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SBI証券による手数料無料化の仕掛け

●SBI証券と楽天証券が株の売買手数料無料化に踏み切る。
SBI証券は9月30日(土)、楽天証券は10月1日(日)の注文分から無料となる。
他の証券会社も追随するのかどうか注目されたが、マネックス証券
「すでに顧客にとって負担の少ない手数料なので」と無料化を見送った。

●暗に、「SBIによる楽天潰し」とささやかれる手数料の完全無料化。
アメリカでは2015年に「ロビンフッド」が完全無料化を発表したことから他社も追随。いまでは手数料無料が当たり前になった。だったら日本ではなぜ無料化がこんなに遅れたのか。

●実はロビンフッドは、顧客の取引データをヘッジファンドなどに売っている。「ペイメント・フォー・オーダー・フロー」(PFOF)という仕組みで稼いでいるのだ。手数料を無料にして口座数をたくさんもてば売買データも増えて利益につながるわけだ。

●日本では「PFOF」の事例がなく、SBI証券は顧客の取引データを第三者に売るつもりで無料化に踏み切ったわけではないはず。営業利益の1割を占める売買手数料を放棄してまで、業界首位の座を不動のものにし、きたるべく一億総投資家時代を有利に戦おうという戦略だろう

●あなたのビジネスでも、いままで有料だったものを無料にし、別の方法で利益確保できないか検討してみよう。

今回の証券手数料の無料化問題、利用者としてはありがたいことだが、経営者としては業界再編のノロシとして、ひきつづき動向に注目していこう。