その他

クイズの雑学は役に立つか?

■クイズの雑学は役に立つか?

●今日は東京主張。ある組織からChatGPTの講演依頼をいただいている。
私のKindle書籍『ChatGPTをビジネス参謀にする方法』をお読みになってのオファーなので、本の内容+αを語らねばと思っている。

●本を書いて二ヶ月、ChatGPTやAIを取りまく情勢は日々進化している。
「社長が怠慢で従業員に殺されてしまうミステリー小説のあらすじを考えて」と入力したら、以前なら気持ちよく答えてくれた。今は断られることがある。
倫理基準が厳しくなって、殺人、暴力、武器、兵器、差別、性的な話題、薬物といったものへの扱いが厳しくなっている。

●その一方で回答の精度やスピードは確実に向上している。
今朝も「会社経営に関するクイズを30問つくって」と依頼したところ次のように答えてくれた。

「もちろんです!以下に会社経営に関するクイズを30問用意しました。
お楽しみください!」

※そのうちの5問をご紹介する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1.営業利益は次のうちどの式で計算されますか?

a) 売上高 – 経費
b) 売上高 × 利益率
c) 経費 ÷ 売上高
d) 利益率 × 経費

2.「市場シェア」とは何を表す指標ですか?

a) 企業の顧客満足度
b) 企業の従業員満足度
c) 企業の業界内での売上高比率
d) 企業の社会的責任の度合い

3.「ブルーオーシャン戦略」とは何を指す言葉ですか?

a) 競合他社との競争激化
b) 新しい市場や産業の創造
c) 経済的な不景気
d) 経営陣の交代

4.「ROI」は何の略ですか?

a) Return On Investment(投資対効果)
b) Return On Income(収益対効果)
c) Return On Influence(影響対効果)
d) Return On Invention(発明対効果)

5.「ブランドロイヤリティ」とは何を意味しますか?

a) 顧客が特定のブランドを選好し続けること
b) ブランドが法的な問題に直面すること
c) ブランドが市場での存在感を失うこと
d) ブランドが新たな製品を開発すること

<正解>
1.b
2.c
3.b
4.a
5.a
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

●クイズと言えば、昔も今も人気のコンテンツだ。テレビをつければ毎日のようにクイズ番組が放送されている。
ある日のこと、テレビで『東大王』を見ていた。世界遺産の名称を早押しで答えるというクイズだった。

●世界遺産の写真のほんの一部しか見えていない段階で東大生がボタンを押し、見事に正解した。スタジオが驚きに包まれた。私も思わ
「え、なんで?」と声が出てしまった。

だが隣にいた家内がボソリとつぶやいた。

「すごいけど、あれが何かの役に立つの?」

醒めた言葉だが、私はそのひと言が気になった。番組の続きが記憶に残っていない。

・・・
クイズ王たちの知識は何の役に立つのだろうか?
そもそも、クイズ以外のことにあの知識が役立つのだろうか?
・・・

●AIが身近になったいま、知らないことを調べるのはとても簡単になった。世界遺産の写真の一部をみせて「この画像はどこ?」と聞けばAIなら瞬時に教えてくれるだろう。
だが、コンピュータと同じことを人間が出来たとしても自慢にはならない。

●だったらクイズ的雑学は無意味なのだろうか?
私はそう思わない。クイズ王を擁護したい。若いときに脳を鍛えておくことには意味がある。たくさんのことを記憶する力、瞬時にそれを引き出す力、それを回答するレスポンスの早さ。要するにキレる脳をつくっておくことは、大人になってから大いに役立つはずだ。

●脳に蓄積された知識は、会話やコミュニケーションに役立つ。食事をしても本を読んでいても映画をみていても会話をしていても、知識があれば豊かで生産的な時間をすごすことができる。

●先日、私は佐賀の人と「くんち」の話題だけで30分以上盛り上がった。
たまたま私が「くんち」を見物したことがあり、そのときに、長崎の「くんち」、福岡の「おくんち」との違いなども調べたことを覚えていたからだ。

●そういう点でクイズ的雑学は大人になってからも役立つはずだ。
何よりも「知らないことを知るのは楽しいことだ」と、学ぶ喜びを覚えた子供は大人になっても学習をやめない。

であれば、教育現場にもっともっとクイズがあっても良さそうな気がする。学校教育や企業内教育でクイズを多用することはできないものだろうか。

<次の記事につづく>