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和田裕美さんにお目にかかって


<昨日のつづき>

「第五回和僑世界大会」(11月22日、23日 バンコク)のトークセッションで鮒谷周史さんと和田裕美さんの対談をうかがった。その様子を昨日と今日に分けてお届けしているが、今日は和田裕美さんが話されたことをご紹介したい。

和田裕美さんは、あなたもすでによくご存知だと思う。なにしろ、30冊以上の本を書かれ、セミナーや講演活動のほかにラジオのパーソナリティや教材・グッズの開発など、実に精力的に活躍されている。

人気タレント以上の多忙な毎日だと想像するが、そんな和田さんがあるとき「ポジティブシンキングを捨てた」という。笑顔がたえないチャーミングな方なのでてっきりポジティブを実践しておられるのだと思ったが意外なひとことだった。

それがどういう事情なのかは後ほど述べるとして、和田さんが現役で営業にまわっていたころの成約率は 98%だったという。数十万円する英語教材を 100人中 98人がその場で即決したというから誰もが驚き、秘訣を知りたがった。それに対して和田さんは「出会い運がいいの」と答えていたそうだが、実は明確な秘訣があることを教えてくれた。

シャレっぽく聞こえるが、「営業とは影響」である。普通の成績の人なら数人に一人しか売れない商品なのに、和田さんだけはほぼ全員が買っていく。その秘訣を和田さんは「私に合ってくれた人がすべて良い人になってくれるような関係をつくっていったから」と語る。営業とは売り込みではなくコミュニケーションなのである。コミュニケーションが良くなれば、自然にお客が買っていくもの。少なくともアポイントに応じてくれているわけだから、売れないような関係にしたのは営業側の責任でもあるということだろう。

相手に影響されるのではなく相手に影響を与えるという姿勢でアプローチすると和田さん。その結果、「他人は変わる」というわけだ。そのために必要なことは、笑顔と高めのテンション、それに、高めの声で笑うこと。そして決め手は一生懸命に相手のお話を聞くこと。そうした姿勢は営業の場面だけでなく、普段のコミュニケーションからそれを実践していくことが必要になるのだう。実際、和僑世界大会でお目にかかった和田さんは講演のときも、昼食会のときも、交流パーティのときも、いつもそれが自然体だった。

「陽転思考が大切」と和田さん。それはポジティブシンキングとは別ものであるという。悲しい気持ちや落ち込む気持ちを無理にポジティブにして明るく振る舞う必要はない。泣くときには思い切り泣き、ネガティブな感情にもなる。しかし、それをそのまま引きずることなく次へ向かうときには気持ちを「陽」に転じていく。それが陽転思考なのだ。和田さん自身もかつてはポジティブ一辺倒だったそうだが、陽転思考に変えてからうまくいくようになったという。

「なるほど、素晴らしい方だな」と感じ入り、うなづきながらお話しを聞いていたらあとになって「武沢さんがうなづいててくれたので話しやすかったです」とほめていただいた。たくさんの人が聞いている中、ひとりひとりの聞く姿勢をデリケートに感じ取りながらスピーチされていたことが伝わってきた。

最後に、聴衆の一人が質問した。「これからどんなことに挑戦されていく予定ですか?」

和田さんは言った。「私は神社の本も書いているくらい日本古来のものや日本という国も日本人も大好きです。ただ残念なことにそうでない日本人が多くなって、自分が生まれた国に誇りをもてなかったり、関心がなかったりするよりは、誇りが持てたほうが幸せなのにと思います。そのあたりのことを今後のライフワークとして訴えていきたいと思います」

私はそのメッセージにいたく共感し、パーティの時に席にうかがってお礼と励ましをお伝えした。

★和田裕美さんの株式会社ペリエ → http://www.perie-net.co.jp/