その他

動物と警察官は似ている!?

動物と警察官は似ている!?

●もう三週間経ったのか。
いつもそう思いながら床屋へ行く。今朝もそうだった。あきらかに三週間前と違うのは、
ポロシャツ一枚で充分なほど暑くなったこと。
それに日影を選びながら歩くようになったことだ。

●「いつも通りで」と告げると、今日は大将の方から話を始めた。
先日亡くなった「ムツゴロウ」こと畑 正憲(はた まさのり)さんの動画を
最近みたらしく、その話を聞かせてくれた。

●家族も見放すような獰猛な大型犬がいた。その家族の依頼でムツゴロウさんが犬に近づいていく。
最初は吠えまくっていたが、10分もしないうちに犬と人が仲睦まじく戯れていたというのだ。まるで魔法にかけられたように。

●動物が凶暴に吠えるのは怖いがゆえの威嚇。こちらに害意がないことを態度で伝えると犬の興奮はおさまる。あとは多少噛まれながらも我慢して犬の近くで優しくしていると、徐々にこちらのニオイや体温に犬がなれてくる。すると一気に警戒心がなくなり、本来のいたずら心がめばえて、一緒に遊ぼうかというスタンスに変わる。

●そんな動画の話を私に聞かせたあと、大将は意外なことを言った

「動物と警察官は似てますよね」

動物と警察官との共通点ってなんだろう。

●大将はドラマ『教場0』にハマっているらしい。警察官は人を疑うのが仕事だというドラマの世界観が大将の生き様とマッチするのだそうだ。
ドラマがあまりに面白かったので、原作者の長岡 弘樹氏の本は読みあさった。いずれもすごく大将の肌にあったのは、まず人を疑い、人を試すという警察官の本性なのだそうだ。

●大将自身も他人の話はまず疑う。だから私の話も疑いながら聞いている。私という人間を疑っているのではなく、私の話の裏側を見透かしたくなるのだそうだ。床屋になっていなかったら警察官になりたかったという。

●「武沢さんは人を信じてあげる仕事ですから、私とは真反対ですよね」
なるほど、ということは私が警察官になっていたら人を信用しすぎて使いものにならなかった可能性がある。

―PR――――――――――――――――――――――――――――――――
実話ベース社長小説 ■武澤信行 Kindle電子書籍シリーズを読む
(Kindle Unlimited 会員【無料】)
――――――――――――――――――――――――――――――――――