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「仕事ができない人」の概念が広がっている

「仕事ができない人」の概念が広がっている

●技術部長が周囲から浮いちゃっています。どうしたら良いでしょうか?
といった質問を受ける。

「仕事はできるんだけど人間関係がうまくない」と社長はおっしゃるのだが、人間関係が下手であればその時点で「仕事ができる」とは言わないものだ。それは「経営力はあるが数字は苦手」「お金はあるけど貧乏」と言っているのと同じで矛盾した言い回しなのだ。
数字が苦手という時点で経営力があるとは言わないし、お金がある時点で貧乏とはいわない。
技術部長の評価をすぐにも「仕事ができない人」に変更すべきではなかろうかと相談者の社長に申し上げた。

●私の友人のA氏は昔、米国の外資系コンサル企業で働いていた。
得意の語学力とコミュニケーション力を活かして仕事は順調。米国での生活も楽しかったそうだが、ひとつだけ合点がいかないことがあったという。
それは、仲間の日本人が不当に低く評価され、A氏だけが高く評価されていることへの違和感だった。

●自分より仕事ができるのに英語が苦手というだけで低評価を受けるのはおかしい、というのがA氏の言い分なのだ。しかし、よくよく考えてみたら企業の立場もよく分かる。

●米国内で仕事をするうえで、英語が苦手というだけで「仕事ができない人」に分類されても文句はいえない。突出した才能をもつ人がその才能を買われて外国に行ったときには通訳がつく。だが、通訳がつくほどの立場でないのなら、語学を猛勉強せねばならない。

●外資系企業において英語が苦手というのは、技術部長みたく「人間性が悪いので仕事の評価も下がる」のと同じと扱いを受けても文句はいえない。評価に納得ゆかないのなら欠点を改善すればよいだけのことだ。

●昨夜はネットリテラシーに関するトラブルがおきた。

それはZ氏(65)とのZoomミーティングでのこと。氏のプレゼンを聞いて私がコメントバックするわけだが、「あれ、おっかしいなー。画面共有ができない」とZ氏。
氏と何度かZoomミーティングしてきたが、画面共有トラブルは毎度のことで慣れている。私は無言で待っていた。ところが3分経ち、5分経っても埒があかない。

●私は画面共有をあきらめ、資料をメールしていただくことにした
それを互いのパソコンで見ながら説明を聞くことにしたのだ。
その提案は功を奏し、円滑にミーティングがすすんだ。氏の計画のなかで気になった箇所がいくつかあったので、資料を添削しメールで返送した。

●すると、今度は「添付ファイルが開けない」、「あ、開けた。でも添削されていない元のファイルが届いている」と主張する。
確実に添削済みのファイルをお送りしていることはこちらでは確認済みなので、落ちついてやり直してもらっても「届いていない」の一点張り。

●結局そのやりとりだけでさらに10分近い時間が経ってしまった。話が次へ進められない。Zoom初心者にありがちな戸惑いだが、Z氏に関していえば3年前からZoomを利用されており、Zoomに関してはベテランとよばれてもおかしくない年月が経っている。

●こうしたネットリテラシーの欠如はその時点で「仕事ができない人」と断罪される。手厳しく聞こえるかもしれないが、残念ながらそれが現実だ。
それが嫌ならネットを学べばよいだけだし、ネットに強い人にマンツーマンレッスンを受ければ瞬時に問題は解決するはずだ。
年齢の問題でもなければネットが好き嫌いといった問題でもない。
サバイバルの問題なのだ。

・周囲とのコミュニケーションがよくない
・数字が苦手
・(外国で)その国の言葉ができない
・ネットが苦手

これらはすべて仕事ができない人に分類される事象であり、
決して放置すべきことではない。

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