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芸術に触れる日・・・「モリコーネ」

芸術に触れる日・・・「モリコーネ」

●先週土曜日は芸術に触れる日にしました。

まず午前中に映画『モリコーネ』を観ました。ファンも多いと思いますが映画音楽の巨匠で映画界で「マエストロ」と呼ばれた人です。
2020年7月に91歳で彼が亡くなったとき「これから映画音楽はどうなってしまうんだ」という映画関係者もいたほどです。

●1960年代から1970年代前半に一世を風靡した「マカロニ・ウエスタン」。なぜマカロニかというと、主にイタリアやスペインなどで撮影・制作し、イタリアの俳優もたくさん登場していたからです。
作品としては『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』などが有名で、若かりしクリント・イーストウッドやジュリアーノ・ジェンマなどが大活躍しました。

●そんな「マカロニ・ウエスタン」ブームのきっかけとなったのはなんと日本映画。あの『七人の侍』(黒澤明監督、1956年)です
このあまりにスゴい日本映画を観たハリウッド関係者は衝撃を受け、西部劇『荒野の七人』(1961年)をつくりました。
「黒澤の丸パクリ」と陰口をたたかれながらも興行的にヒットし、西部劇ブーム、そして「マカロニ・ウエスタン」ブームに発展していくのです。

●それを音楽で支えたのがエンニオ・モリコーネ。
たとえば『荒野の用心棒』(1964年)のなかの「さすらいの口笛」という曲があります。きっとあなたも耳にしているはず。この名画はこの美しい旋律があって成立していると思いませんか?

★さすらいの口笛 → https://youtu.be/47AhtC1ZcdA

●「あ~、なつかしい」と思ったあなたにはこちらの名曲もご紹介しましょう。『続・夕陽のガンマン』の主題歌です。オカリナで表現されるコヨーテの「叫び」。それを知っていてもいなくても、一度聞いたら忘れることができないメロディです。それにしてもこの着想、天才的ですね。

★続・夕陽のガンマン → https://youtu.be/BNb8DVfN6iA

●この「マカロニ・ウエスタン」、実は欧米では「スパゲッティ・ウエスタン」と言われています。映画評論家の淀川長治氏が、「スパゲッティでは細くて貧相だ」と、スパゲッティより太いマカロニで表現したのです。その表現がまた一部の外国で使われているのですから世界の文化は互いに影響し合っているわけですね。

●影響しあっているといえば、「マカロニ・ウエスタンブーム」の火付け役となった日本ですが、その日本がまた「マカロニ」の影響を受けました。
ご存知『木枯し紋次郎』、『必殺シリーズ』、『子連れ狼』、『御用牙』などはマカロニ・ウェスタンの要素を時代劇に取り入れた作品です。
ドラマ『太陽にほえろ!』で萩原健一が演じた「マカロニ」役もその当時のブームが影響しているそうです。

●映画のことで長話をしてしまいました。モリコーネが作った映画音楽は500作以上にのぼり、他にもたくさん有名な曲があるのですが、紹介は省きます。
映画『モリコーネ』を見終わった私は、オムライスで昼食をとったあと岡本太郎とホイットニー・ヒューストンに会いにいきました。

その話題は明日にします。