ドローンと渡り鳥、そしてカラス
●小売業に10年近くいたせいか、「セール(Sale)」という言葉に私は弱い。この単語を見聞きしただけで気持ちが高ぶり、物欲が刺激されるようになっている。
最近はオンラインのセールが増えたため、以前より簡単に衝動買いができるようになった。「セール」というだけで衝動買いするので、家族から苦情を言われることもしばしば。セールで得した気分を上回る気まずさを味わうこともある。
●特に年末は大変で、先日もAmazonの「ブラックフライデーセール」と楽天「スーパーセール」が開催された。二大通販サイトによるほぼ同時セールだけに、多くの人たちがネットで買いまくったはずだ。
そのせいか、ヤマト運輸から「御届け物の遅延の可能性のお知らせ」の告知がHPに公開された。(現在は表示されていない)
●この冬は衝動買いを自重していたが、冷蔵庫のコカ・コーラがなくなったので追加注文をしようとしたら14日もかかるという。配送の混乱なのか、一時的な品切れなのかは分からないが、これもセールがもたらした影響だ。
●通販はもはや生活インフラ、ビジネスインフラである。だからこそ配送ドライバーが不足し荷物が運べなくなる「2024年問題」は深刻な問題だと思う。フィジカルインターネットに国が力を入れるのも当然と言えよう。
●そうした中「日本郵便、2023年度からドローン配達を本格導入!」というニュースが飛び込んできた。
以前からドローン配送には期待していたが、ここにきてようやく実現するようだ。まずは「人手が不足する山間部や離島から」ということだが、都市部でのドローン配送もそれほど先の話ではなかろう。
●ドローン配送の環境が整えば、マンションのベランダでも荷物が受け取れるようになる。そうなると宅配ドローンだけでなく、出前ドローンも誕生するだろう。地上では配送ロボットが道路を走り回り、空には配送ドローン、出前ドローンが飛び交う。一説によれば、現在空を飛んでいる航空機の100倍のドローンが飛ぶようになるという。
●冬の渡り鳥をながめるのは楽しみのひとつだが、ドローンと渡り鳥を見間違うかもしれない。それ以上に気になるのはなわばり争い。
海外においてカラスなどの鳥がドローンを攻撃するケースが相次いでいるのだ。カラス以外にもトビ、カササギ、タカ、オナガイヌワシなどもドローンを攻撃する性質があるそうだ。
●ドローンは物流用以外に鳥害対策としても期待されているが、そのドローンが鳥の攻撃にあうとは皮肉なものだ。そうしたことも含めて物流の将来、ドローン配送の将来を見守っていきたい。
(峻)
<参考記事>
★ドローンで郵便配達 2023年度から本格的に導入へ 日本郵便(NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221206/k10013914871000.html
★ドローンを攻撃するカラスの動画
https://www.youtube.com/watch?v=JRhm0rYFXb4&t