国内経済

購入派、賃貸派の議論に終止符?

投資に興味がある人にとってはあこがれの存在・ウォーレン・バフェット氏。
そんな彼も1958年にネブラスカ州オハマに家を買ったことを「愚行」と後悔している。
そのお金を投資に回していたら・・・ということらしい。

実際バフェット氏が半世紀以上にわたって平均利回り20%で資産運用していることを考えると、家の購入価格31,500ドルは現在の2.8億ドル以上(約420億円)に相当する。
そう思えばたしかに「愚行」と言えそうだ。

金額的にみても人生最大の買い物であり、慎重にならなくてはいけないわけで、家の購入に関しては意見が真っ二つに分かれる。
自宅は絶対買うのが正しいという「購入派」と、ライフスタイルに応じて住む場所や家のデザインを変える自由をもちたい「賃貸派」に分かれる。
私も賃貸派で、いままで家を買いたいと思ったことがない

しかしテクノロジーの力によって「家は人生最大の買い物」という常識が打ち破られようとしている。
兵庫県のスタートアップ企業・セレンディクスが今月発売予定の世界最先端住宅「Sphere(スフィア)」。
Sphereは3Dプリンターで出力した住宅パーツを組み合わせることで、わずか23時間12分という驚きのはやさで家を完成させてしまう。

★先端住宅「Sphere(スフィア)」
 https://www.atpress.ne.jp/news/300928

3Dプリンターで家が作れる。
しかもたった1日で。
まさか自分の目が黒いうちにそんな世の中になるとは想像もしていなかった。
しかし正直な感想をいえば、住みたいと思うデザインではない。
奇異なデザインの仮設住宅という印象だが、もう半年ほど待てばもっとすごいものがみられそうだ。

セレンディクスが来年春に新モデルの発売を予定しているのだ。
その名も「フジツボモデル」。このモデルは49平米(15坪)1LDKで鉄筋コンクリート造で耐火性・耐水性・断熱性も安心とのこと。
何より驚きなのはその価格。
「車が買える程度」を目安にしたそうで、500万円程で発売が予定されている。
こっちなら欲しいと思う。

★フジツボモデル
 https://mag.tecture.jp/product/20220406-57033/

家に資産価値を期待する人や、100年、200年つづく古民家的な味わいを求める人には不向きだが、人が住む家としての機能は充分すぎるほど備わっているようだ。

車の値段で家が買えるとなると「賃貸派」を続ける理由はない。
いま一人暮らしの世帯が増えているし、これからも増える見通しなのでこうした先端住宅が日本人のライフスタイルを変えていく可能性がある。
成りゆきを見守りたい。