実話ベース物語

多重下請け構造と外部デバイス制御

今日のYouTube新作

■会社四季報ONLINEで確認する【成長企業のあゆみ】・・・任天堂

成長企業は私たちの目の前でゆっくり時間をかけながら大きくなっていきます。
そのプロセスをあとから確認する方法としてオススメなのが、「会社四季報ONLINE」。
さっそくそれを使って任天堂の成長プロセスを見ていきましょう。 

多重下請け構造と外部デバイス制御

「優秀な人材が採れない」とこぼす経営者が多い。
どんな方法で求人したのかを尋ねると、ごく一般的な求人媒体の名前が出てきたり、ひどい場合は職安だったりする。
職安がダメなのではないが、優秀な人材を期待するのであればそれなりの求人方法を考える必要がある

事業とは求人力と配置力と定着力と育成力の合わせ技だ。
求人の段階でミスってしまうと配置も定着も育成もできなくなるから、求人力がまっさきに問われることになる。

つい最近、あるソフトウエア開発の会社を訪問した。
ここでも「優秀な技術者が採れない」という話題になった。
優秀な技術者がいないために未熟な技術者が開発したプログラムがバグだらけでバグチェックの会社への外注コストが膨れ上がる一方だという。

私はその話を聞いて「優秀より普通を」と提案した。
優秀な技術者を取ろうとする前に普通の技術者を採る必要がある。
なぜなら、普通以下の技術者を多く抱えているからだ。
普通以下の技術者を一掃するだけで生産性はあがるが「平均以下」という理由で解雇するわけにもいかない。
だったら別の方法で彼らのミスを減らす必要がある。
それは配置力と育成力の問題だ。例外的にはシステムを変えることでミスをなくすこともできる。

今月23日、尼崎市の全市民46万人分の個人情報が入ったUSBが紛失したというニュースが流れた。
当初は尼崎市から業務委託をされたビプロジー社(旧・日本ユニシス)の社員が酒に酔ってUSBを紛失したと報道された。

そもそも46万人もの個人情報が入ったUSBを社外に持ち出す時点でイレギュラーなことだが、さらに驚きの事実が発覚した。
実はビプロジー社が市に無断でA、Bの2社に業務を再委託していたことが発覚。
さらにA社がC社へ再々委託し、C社の社員がUSBを紛失したのだった。

多重下請け構造は責任の所在が曖昧になるし、徐々に管理が緩くなる。
社員のセキュリティ意識も希薄になっていったとしても不思議ではない。

今回は酒に酔ってUSBが入ったカバンを脇において路上に寝込み、気づいたらカバンがなくなっていたという。
幸いUSBが入ったカバンは三日後に戻ってきたため、尼崎市民の個人情報が漏洩する事態は避けられたようだが、日本のトップクラスの企業が引き起こしたお粗末な椿事である。

この報道に触れたとき、「またお粗末な社員のお粗末なミスか」と思ったが、酒に酔ってUSBをなくした社員は本当にお粗末な人間だったのだろうかと考えてみた。
ひょっとしたら誰でも同じことを仕出かす可能性があったのではないかということだ。

IT業界の多重下請け構造は長年問題視されながら有効な解決策が見つからないまま今日に至っている。
この問題の本質は下請け構造にあるのではなく、人材の質の問題でもなく、デバイスの問題だと思う

常識的に考えれば、USBに入った極秘データを受け取ったらまっさきに会社か自宅にもどって安全な場所に保管する。
いくらデータを移管し終わったあととはいえ、メモリ内にデータは残っていた。
途中で飲みになどいかないはずだ。
ところが生身の人間は誘惑に負けるもの
一杯、また一杯とやるうちにUSBのことすら忘れてしまうこともある。
特にこの時期、ビールがうまい。
これは人間が優秀か優秀でないかの問題ではなくアダムとイブ以来の人間の性だ。

先頃の4630万円の誤送金事件のときはフロッピーディスクが使われたそうだ。
そして今回はUSB。
いっそのこと、業務においては外部メモリのやりとりを撲滅してしまえば人的エラーはなくなるはず。
外部デバイスの利用禁止はIT業界の常識ではあるが、多重下請けが進むうちにどこかでデバイスが利用されてしまう。
これを完全撲滅しない限り今後もこうした椿事はなくならないと思う。


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