ウケがいい話は何度もしたくなるし、ウケが悪いといくら気に入
それは落語や漫才のお笑いネタだけ
ただ、お笑いの世界と講師の世界とでは大きく異なる点がある。
お笑いネタは何度やってもウケるが、ビジネス講座で同じ話を聞か
「その話はもうわかったから違うことを聞かせろ」というわけだ。
過度な重複が許されないのが講師業である。
ただし例外が二つある。
同じネタをくり返しても許されることが
ひとつは定番講座の場合。
同じ資料やフォーマットをつかって解説
むしろこの部分
もうひとつは、聞き手が入れ替わっている場合。
全国に熱狂的なファンがいる田中真澄氏の場合、多いときは年間3
私も30代、40代、50代と三度講演
30代のときは主催者の幹事として田中先生をエスコートさ
たとえ話などはその都度新しくなっていくが、元気がもらえるパッ
私は40歳でコンサルタントになって以来密かなモットーがある
それは「同じ話は二度しない」というもの。
ミックジャガーはかつ
「サティスファクション?俺たちゃ、あんな古い曲を歌うために活
ある日を境にして、彼らはこの大ヒット曲を歌わないと誓ったそう
最新の曲がオレ達のベストなんだ、という精神こそロック魂であり
私もストーンズを真似て、いくらウケた話があったとしても同じ相
そんな小さなプライドをもって講師業を続けてきたが、それが崩
いつもそうだが、話し始めのうちは緊張が抜けない。
知らない人が
緊張したときはお得意ネタでいくしかない。
前年も同じ話をして
話し始めていくと、その日の札幌の皆さんはノリがよく、笑顔で楽
当
15分ほど経っていただろうか、調子があがってきたときだった
そして演台の上にメモ
ただならぬ空気である。
「なんだろう?」
話をとめてメモをみる私。
表情が一瞬くもり、小さく動揺したこと
メモにはこう書かれていた。
「武沢さん、前回と完全に話がかぶっています。そろそろ今日の本
その日、幹事に頼まれていたテーマは「目標設定と行動計画づく
だが、言われるまでもなく私はそれを承知している。
今の流れのな
主催者と演者の意思疎
今の私なら平然とメモを読み上げるだろう。
「あ、いま幹事さんからメモが届きました。武沢さん、めちゃくち
と創作して読み上げる。
だが当時の私は50歳になったばかりで未熟だった。
本当に動揺
顔はこわばり、ぎこちなく話題を本来のテーマに切り替
最悪だ。
心の余裕もなくし、それ以降は持参した資料を読み上げ、書式の解
「やってしまった」という脱力感と絶望感。
懇親会もセットになっていたが行きたい気分ではなかった。
だが受
行った店は覚えている。狭い居酒屋だった。
あの日の酒は人生で1
同じ話を二度しないと決めている私がそれを破ってしまい、それ
懇親会で
今思い出してもホロ苦いが、その日以来となる友人が札幌に複数で
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