人事労務組織

「社長職は墓場に持ってく」余話

【今日のYouTube新作】

■【不倒の経営】を実現する法人貯株のすすめ

営業外収益を増やせば営業利益の不足を補うことができます。
究極的には年間経費以上の営業外収益を出すようにしたら本業の売上がゼロになっても会社は倒産しません。
それを不動産収入(主に家賃収入)で実現している会社はたくさんありますが、株式投資でも可能です。
その方法論をお話しします。

「社長職は墓場に持ってく」余話

昨日のメルマガは久しぶりに5通を超えるメールを頂戴した。
読者の方々にとっても身につまされる話題だったのかもしれない。
一部のメッセージをご紹介しよう。

1.東京都O社長の意見

・・・
今日のメルマガは迫力がありましたね。
「武沢さん、社長職は墓場に持ってくことにした。目が黒いうちは誰にも渡さん!」
→このあたり、鬼気迫りますね!
・・・

2.神戸市K社長の意見

・・・
本日のメルマガを読んで「へぇー なんで?」と思いました。

私なら条件が許せば今日にでも社員と社長を交代してもよいと思うからです。
創業者だから会社に愛着があるからが理由なら私も創業者ですがいまひとつ社長の本心がわかりません。
別に社長のバトンを渡したい人がいるのかしらとも思いましたがそうなら先生にご相談するはずでしょう。
違いますね、きっと。

ちなみに私が後継者なら4つ目の選択肢「現社長が死ぬまで彼の影となって事実上の社長を勤め上げる」を選択します。
だって私は役職にはこだわりは全くないので・・・
O家具さんのようにつまらない内輪もめで世間の笑いものになるというか大切なお客様を置いてけぼりにするような経営者にはなりたくないですね。
・・・

3.新潟県I社長の意見

・・・
友人に「死ぬまでオレは社長をやる」と言っている経営者がいますが、彼の場合は自営業者だから笑って聞きながしています。
従業員がいる経営者だったら猛烈に批判してやりますよ。
なんてちっぽけな人間なんだと。
いやですねえ、自分のポストに固執する人って。
どういう了見なんでしょうか。
・・・

4.名古屋市のU社長

・・・
私の近所にお住まいだった著名な経営者は本当に死ぬまで社長をやった人です。
愛知県内でも有名な老舗料理屋さんで「社長の座は誰にも譲らん」が口癖の方でした。
絶頂期には中日新聞や地元銀行主催の講演会にも呼ばれる方で、地元の経済新聞の見出しにも「社長は誰にも譲らん」が見出しになりました。
バブル崩壊後は接待需要が減り、成績が悪化したようです。
多くの料理人が去って行き、従業員が去り、家族まで去って最後に残った奥様も他界されました。
広い敷地の豪邸で住み込みの家政婦さんと二人で暮らしておられました。
結果はさみしいものでしたがご本人の望み通り誰にも社長の座を譲らず、心臓発作で世を去られました。
本当にそれが望みだったのでしょうか。
・・・

興味深い意見を頂戴したことで私も視野が広がった。
どのように広がったかのひとつめ。承継を受ける側の選択肢は三つあると昨日書
たが、四つありそうだ。四つ目を新たに追加する。

1.力業でいく

社長にその意思がない限り「株主総会」または「取締役会」で解任するしかない。
ただ、大抵の場合は株主総会も取締役会も社長が牛耳っていることが多く、難易度は高い。

2.外堀を埋める

社員の過半数、メインバンク、主力取引先、外部顧問などを説得し承継推進に協力してもらう。
「我々がバックアップするから安心して承継を進めてもらいたい」と訴える。

3.会社を去る

承継するつもりがないのならこの会社にいる理由もないので、転職または独立するむね、社長に伝える。

4.役職にはこだわらず現社長が亡くなるまで、社長の影となって事実上の社長を勤め上げる

ふたつめは、「死ぬまで社長をやる」というメッセージの有効性を確認すること。
従業員をはじめとするステークホルダーにプラスの効果があるメッセージなのかマイナス効果なのかを判断すべきだろう

承継に積極的な社長と消極的な社長がいる。
それは社長の年齢や世代によるものよりも本人の人生観によるものだと思う。
自分の能力や可能性をどこまで信じているか。
承継したあとの第二・第三の人生プランをもっている人は進んで承継をしたがるはずだ。
その反対に、社長をやめたあとの青写真がない人は社長職を手放したあとが怖くて、やめるにやめられないのではないだろうか。

今後、承継問題の相談をされたら、現社長の承継後Wish-Listづくりから話を始めることにしよう。