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経営力の客観基準

Rewrite:2014年4月1日(火)

会社の格付けをして欲しいと願っている経営者はかなり多い。第三者による客観的な評価で自社の強みや弱みが分かり、尚かつ全国ランキングや業界内ランキング、地域内ランキングなどが分かれば最高だとおっしゃる。それに近いものとして、信用調査会社の評点があるし、銀行が独自に作っている企業評価もある。

それ以外にこういう客観基準もある。

・ISO 9000 シリーズ(製品・サービス・仕事の品質)
・ISO 14000 シリーズ(環境マネジメントシステム)
・株式公開基準(上場基準・店頭公開基準など)
・経営品質賞(毎年一回、経営品質を審査されるもの)

今日はその中から『経営品質賞』について考えてみたい。

経営品質賞とは1995年に創設されたもので、民間企業と非営利組織を対象にする賞だ。委員には、民間企業経営者・公認会計士・監査法人・大学教授などが名を連ね「アセスメント基準書」とよぶ審査基準に基づいて書類審査と訪問審査を重ねて選考する。

日本の産業界における卓越した経営品質(=クオリティ)の仕組みをもつ企業を毎年表彰する年に1度の賞でもある。また、各審査基準に沿って自社の企業活動を再点検する自社内評価によって、経営全体を客観的に評価したり、その革新を進めることができる優れた経営改善ツールにもなる。

「顧客満足」や「CS」と言われる考え方は、現場第一線でのお客様への対応に偏っていた面が大きかった。しかし、「顧客価値経営」が求められる時代にあっては、従来の考え方にとどまらず経営者のリーダーシップを推進力とする経営全体のしくみを、お客様の視点から見つめなおさなくてはならない。
日本経営品質賞の最大のテーマであり授賞のポイントとなる「経営品質」とは、企業経営が利益の源泉である顧客の視点から運営され、新たな価値を創出し続けている仕組みの達成度なのである。

その骨子は次のとおり。

◇4つの基本理念
1.顧客本位 2.独自能力 3.社員重視 4.社会との調和

◇11の基本的な考え方
1.クオリティ
2.リーダーシップ
3.プロセス
4.「知」の創造と活用
5.時間とスピード
6.パートナーシップ
7.社会的責任と環境保全
8.事実に基づく経営
9.グローバリゼーション
10.フェアネス
11.イノベーション

◇8つのカテゴリーからなる経営品質のフレームワーク
1.リーダーシップと意思決定
2.経営における社会的責任
3.顧客・市場の理解と対応
4.戦略の策定と展開
5.個人と組織の能力向上
6.価値創造のプロセス
7.情報マネジメント
8 活動成果

賞は「大規模部門」「中小規模部門」「地方自治体部門」があり、詳細な評価基準書はこちらのホームページから有償で入手することができる。
経営品質賞は爆発的に広がっている制度とは言いがたいが、熱心な経営者は密かにこれに取り組んで成果を上げている。