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続・サボタージュ・マニュアル

続・サボタージュ・マニュアル

●米国の「サボタージュ・マニュアル」の存在は周知の事実だが、そもそも「サボタージュ」とは何か。
単にサボることを意味するのではない。
労働組合の争議戦術のひとつで、職場にはいるものの、合法的に仕事の能率を下げて経営者に損害を与え、紛争を有利に運ぶための方法をいう。
つまり意図して能率を下げる行為がサボタージュなのだ。

●ところが「サボタージュ・マニュアル」にやられてしまうと、その組織の従事者は意図せずに能率を下げる行為をしてしまう。
良かれと思って一生懸命サボタージュ行為をしているだけにたちが悪いわけ

●私は時々、会議の進行役や研修講師を引き受けるときがある。
んなときは独断でこんなルールを出席者にお願いしている。

「私から指名された人は3秒以内に発言してください。
それが出来そうもないときは『パス』と言って下さい。
『パス』は今日の会議時間の中で2回まで使えます。
『パス』が3度あった人は恐縮ですが5分間起立して会議に参加していただくことになります。
起立したくない人はなるべく即レスでの発言にご協力ください」

参加者は「しかたないな」といった苦笑いをする。
だが全員協力してくれるし、過去一度も起立させられた人はいない。(パスを二回使った人は何人もいたが)

●こういうルールを使わないと、あてられても平気で黙っている人がいる。
沈黙が10秒も続くと、「え、どうしたの?」と思う。
会議や研修のリズムが途切れてしまうサボタージュ行為だ。
学園生活では許された事なのかもしれないが、ビジネスではタブーだ。

●こうしたルールによって会議や研修の空気が変わっていく。
会議室内にいる人たちの頭脳モーターを高速で回し続ける責任が会議の主催者にはあるし、メンバーもその義務がある。

●ときどき延々と長話される人がいる。
しかも過去に何度も同じ話をしているのに本人はまったく意に介さず同じ話をされる。
「サボタージュ・マニュアル」とまったく同じことが行われているわけだ。

●さてこのマニュアル、本来は戦争相手国の政府機関や軍部組織に仕掛けるためのものだが、ひょっとしてマッカーサー率いる進駐軍は日本の官僚機構にこれを置き土産にしていったのではないか。
そう思えるほど日本の行政組織や企業の一部にはこのマニュアルの匂いがまだ残っている。

<ホワイトカラーによるサボタージュ戦略>

  1. 形式的な手順を過度に重視せよ
  2. ともかく文書で伝達して、そして文章を間違えよ
  3. 会議を開け
  4. 行動するな、徹底的に議論せよ
  5. コミニケーションを阻害せよ
  6. 組織内にコンフリクトを作り出せ
  7. 士気をくじけ

(『サボタージュ・マニュアル』(越智啓太著)より)

<武沢流 組織を崩壊させる15条件>

  1. メールのレスは可能な限り遅くせよ(理想はスルー)
  2. メールは長文にせよ(そして一つのメールに複数の要件を入れよ)
  3. 会議を増やしとことん議論せよ(忙しいときほど会議をエンドレスで行え)
  4. 会議では演説、スピーチ上手の人に個人的な経験談やエピソードを長く話させよ
  5. 議事録は必ずつくり、誰が何を発言したかが完全にわかるようにせよ
  6. 既に決定したこともしばしば覆して再議論し、決定事項を見直
  7. 意見提案がある時はまず手続きを経よ(直属上司の承認がない意見具申は禁止)
  8. 提出書類には完ぺきを求め小さいミスでも再提出を要求せよ(手本はお役所仕事)
  9. メールや書類は内容もさることながら、まずは誤字脱字や言葉づかいについて厳しくチェックして本人にフィードバックせよ
  10. マニュアル重視の会社にせよ(マニュアル通りなら高評価、マニュアル以外の方法で活躍しても低評価)
  11. 重要な個人的ノウハウは誰にも教えるなと部下に教えよ(教えると社内にライバルが増えるから)
  12. 言い争いや罵声、怒声が飛び交う組織にせよ
  13. 敵は外ではなく内にいると教えよ(社内に派閥やライバル関係を増やせ)
  14. 無力感をつくりだせ(一生懸命やろうが達成しようがみんな処遇は全員平等、時には無力な人ほど厚遇せよ)
  15. 組織メンバーの顔ぶれを固定し平均年齢を年々高めよ(なるべく若い新人を組織に入れないこと)