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好きなだけ仕事ができてうらやましい

好きなだけ仕事ができてうらやましい

●カードキーの返却と敷金の精算があり、以前のオフィスに行ってきた。名古屋の丸の内界隈はひと月ぶりだが、何も変わっていない。
ビルに入ると長年同じフロアでご一緒だったY社長(55歳)とばったり出くわした。有力な顧客をたくさん抱えて経営内容も充実していると評判の保険代理店だ。

●「がんばれさんが居なくなるとさみしいです」とY社長。

武沢:25年ご一緒しましたからね
Y:このビルが新築のときに入居した者同士ですから、戦友みたいな存在に感じていました
武:たしかに。うちとおたくだけですものね、25年間ずっと入居してたのは
Y:そうですよ、これでウチだけになっちゃいます。聞くところによれば今度はオフィスと自宅を一緒にされるそうですね
武:ええ、職住同一に踏みきりました
Y:テレワーク全盛ですからね

●その後に続くY所長の一言が印象的だった。

「ほんと、うらやましい」
「え、そうですか?」
「そりゃそうですよ、土日も朝晩も関係なく、好きなだけ仕事できますもん。ハッハッハ」

根っからの仕事人間らしい発想だ。私も笑っているとYさんの話が続いた。

●「連日、朝早くから夜遅くまで電気がついてたのはウチとがんばれさんだけでしたもの」
「・・・」
「土日も盆も正月も関係なくオフィスでお会いしてましたね。よっぽど私たちは仕事が好きなんだ」
そう言いながらひとりで笑うY社長。

●そうかもしれない。私の場合は仕事も好きだが、遊びも好きだ。家にいると遊びしかしないと分かっているので、仕事があると会社にいく。会社に行くと遊びも時間も忘れて仕事に打ち込める。

●それにしても「好きなだけ仕事できますね、うらやましい」という考えの日本人はかなり減ったはずだ。昭和から平成にかけてはワーカホリックが多かった日本人だが、過労問題や働き方改革問題、テレワーク普及などによって寝食を忘れて仕事に打ち込む人が減っているように思う。好きでそうしているのなら、それは誰にも止めることはできないはずだ。

私にとっての職住同一を考えるきっかけになったY社長の言葉だった。