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「フルビッター」、それは一部の人たちのカリスマ

「フルビッター」、それは一部の人たちのカリスマ

●昔、ノーヘルメットでスクーターに乗っていたら白バイに止められた。
シートの下にヘルメットが入っていたのだが、そのときは近距離だから被らずにいた。
「免許証を見せてください」
「はい、これです」
「あなたこれ、期限が切れてるじゃないか」
「えっ!」

すぐに罰金を払って更新手続きに出向いたが、免許の取得日はその年(平成8年)になってしまった。
最初に取得したのは昭和50年だが、その記録は私の免許証にはない。
そう思い込んでいたというべきか。

●タクシーのなかでそんな話をしたところ、運転士がわけの分からないことを言った。
「うちの営業所にフルビッターが二人いてね、その一人は免許証をわざわざ失効させてフルビット免許になったんですよ」

突然、知らない外国語で話された気分だ。

●「どういう意味ですか?」
「将棋の藤井聡太さんが8冠タイトルを総なめしたようなもんですよ」
「もっとわからない」

それはこういう意味らしい

フルビッターとは「フルビット免許」の略で、極めてレアな免許証のこと。
免許証に記載されている免許の「種類」欄にある大型・中型・普通など14種類すべての欄が埋まっている免許のことである。
事家にはあがめられるほどの快挙だそうで、そんな人が知人に二人もいれば自慢したくなるのも分かる。

●ちなみに14種類の免許を取らなくても大型二種、大型特殊、けん引二種、大型二輪の4種類を持っていれば、実質上「全部」の運転ができる。
だが、それは通称「フル免許」と呼ぶ。
すべての「種類」欄が埋まっている「フルビット免許」の方がレア度がはるかに高く、自慢になるのだそうだ。

●それはよいことを聞いた。さっそくオフィスに戻ってスタッフにそれを聞かせたところ、「有名な話だよね」と既に知っていた。
それどころか免許証の12桁の番号の意味まで教えてくれた。

●あなたも免許証を出してほしい。

私の場合、最初の4桁は5475だが、54は初めて免許を交付された都道府県の番号で、54は「愛知県」を意味する。
次の75は取得年。
つまり、1975年(昭和50年)に初めて取得したことがここに記録として残っているのだ。
「よかった~」。再発行のときに消えてしまったと思っていた。
末尾の一桁は再交付の回数である。
幸い私は0だが、ここの数字があまりに大きいと管理能力が疑われるかもしれない。

それにしても、こんなにしげしげと免許証を眺めたことがあっただろうか。

★運転免許証の数字の意味
https://gazoo.com/column/daily/15/09/07/