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三日坊主のプロ

三日坊主のプロ

●ある会社の若手社員を対象にオンライン講義をやって欲しいと依頼があった。
テーマは生産性仕事術。
どうすれば計画倒れにならずに済むのか教えて欲しいというのが依頼主であるA社長のリクエストだった。

●私は唸ってしまった。
私自身がいまだに計画倒れに苦しんでいるからだ。
つい最近も見通しの甘さから、あるプロジェクトが数ヶ月遅れてしまったばかりだ。
生産性仕事術を教える資格があるとは思えないから辞退しようとしたところ、「武沢さん、うちは別次元なんです」とA社長。

●「例えるなら、今月10件の新規開拓をしますと言いながら具体的な行動がなにも取れず、結局は0件で終わってしまうレベルなんです」。
担当の仕事が10に対して0はお粗末だが、未知のことに挑む場合は往々にしてある得ることだ。

●これは社員教育の問題ではなく、上司や経営陣が仕事のしつけをどのようにしているかの問題である。
本来は経営者や幹部を対象に講義すべきだが、その研修には社長も参加するという条件でお引き受けすることにした。

●先日、それが終わったばかりだが次のような感想が届いた。
文章は武沢リライト済み。

1.入社三年目、営業男性
すべての仕事目標は数字付き、期限付き、行動計画付きで表現するというお話しが印象的でした。
今回配布していただいた行動計画を5W1Hにする書式をつかって自分も目標をすべて計画にしてみます。

2.入社4年目、技術職男性
三日坊主の質問をした者です。
三日坊主にもアマとプロがあり、武沢先生も「プロの三日坊主」だと知ることができてよかったです。
はアマだと痛感しました。今後はプロをめざします。

3.入社1年目、営業女性
講義の始まりのとき「今月達成すべき目標は何個ありますか?」と聞かれて頭が真っ白になり何も言えなくて恥ずかしかったです。
目標を明確にすることの重要さ、それをいつも見ることの重要さを改めて知ることができました。
薦めていただいた本も読んでみたいと思いました。

4.入社2年目、技術女性
自分自身、あれがしたい、これがしたいというのはたくさんありますが、今日のお話のような目標を明確にし、計画をもって行動した事はございませんでした。
上司から割り当ててもらった作業を締め切りまでにこなすことで満足していました。
ある意味、カルチャーショックを受ける内容でした。

5.入社4年目、営業幹部
目標を明確にすることや5W1Hで計画を立てることは知っていましたが、毎月やるものだとは思いませんでした。
しかもそれを目に届く所に貼っておくという考えをしたことはなく、共感しました。
今日の内容を部下と一緒に徹底実践します。

●感想にあった「プロの三日坊主」とはなにか。
三日続けたのに、四日目にできなくなることを三日坊主という。
ポイントは五日目。
もういちど五日目から始めればよい。
また三日坊主になれば、その次から始めればよい。

これを一年続ければ、273日(75%)続いたことになる。
三日坊主で終わってもめげずに再スタートできる人が「プロの三日坊主」である。

●「アマの三日坊主」とは、四日目以降はあきらめてしまってずっとやらない(やれない)人である。
誰だって三日坊主なのだから、アマからプロを目ざしていけばいつかは誰だってプロになれる。

●そのようにして何かひとつでいいから3年以上続いているものをもてば立派なプロ。
仕事において10年以上も続く何かをもてば、その道の専門家として人が教えを請うような人になれるだろう。
あえて言うなら、続かないものはあなたに必要ないものなのでサッサと見切ればよく、続けるべき何かを見つけたら死に物狂いでやめないことである。