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食事をおいしくいただかない二つの方法

食事をおいしくいただかない二つの方法

●知人が三年前、東京の神保町の会社に転職した。
ここは学生の街だけあってカレーやラーメンなど、外食する店には事欠かない。
そこで彼は無謀な決心をした。
「絶対同じ店に入らない」と。

●一年に250日は神保町に出社する。
つまり4年で1,000店舗、8年で2,000店舗を回る計算だ。
たまに店内に入ってから以前来たことを思い出し、あわてて引き返すこともあれば、ランチを食べ終わるころに「ここって前に来たかな」と疑念にかられることもあるそうだ。
行った店の写真を撮るとか料理の写真を撮ってデータベースにすればよいのに彼はあえて写真も撮らず心に記憶していく。

●『孤独のグルメ』の井之頭五郎みたく、自分の嗅覚だけを頼りに店を選ぶ。
スマホで店選びなんかしないし、レビューチェックもしたことがない。
しかも一回の食事は一期一会の精神だ。
気になるメニューは全部注文する。
同じ店に二度行かないわけだから、多少大喰いになるのは当然だ。
私はそれを聞いて、これこそが食事を美味しくいただくコツかもしれないと思った。

●よく言われることだが「食事はみんなでワイワイ食べるのが一番だよね」というのはウソだと思う。
それは食事会の雰囲気が楽しいだけで、本当に料理がうまいのはひとりで無言で、あるいはブツブツ言いながら食べることだ。

●あるとき「食べログ」で最も点が高い店に行ったことがある。
抜群に美味しい料理だったはずだが、友人たちとの楽しい記憶しか残っていない。
天然うなぎの蒲焼きの野性味あふれる食感は今も覚えているが、あとはメニューすら思い出せない。

●食事を美味しくいただかない方法の一番目、それは楽しい仲間と大勢で行くこと。
美味しくいただかない方法の二番も結構やりがちなことだが、それは写真を撮りまくること。
料理が出てきたら食べる前にまず写真を撮りまくる。
SNSにあげてもあげなくてもよいが、とにかく感動を写真に収める。
すると、写真の枚数に比例して料理の記憶が薄らいでいく。

●このことは料理でも旅行でもいえる。
アメリカの心理学者が「写真撮影減殺効果」として警告を発しているので今度料理を撮影している人がいたら教えてあげよう。
「おせっかい」と言われるだろうが。

★写真撮影減殺効果
 ⇒ https://karapaia.com/archives/52148415.htm

●私のZoomセミナーも録画サービス付きにしているが、録画なんて写真よりひどいかもしれない。
今後は録画なしにするか有料にしてしまおうか?