その他

ベテランドライバーのつぶやき

ベテランドライバーのつぶやき

●90歳代のタクシー運転士が全国に200人以上いるそうだが、今朝私が乗ったタクシーはそれに近い年齢の運転士だった。
「昭和の戦前生まれです」というから仮に昭和19年生まれなら77歳。
昭和9年なら87歳、おそらくその中間あたりだろう。
運転士歴は40年以上になるという。

「若いころは良かった。エース級のドライバーなら皆、年収1,000万超えしていた。今は法令がうるさくなって、そんな人は一人もいない」とさみしそう。
「でも、長年タクシーの仕事をされていると、何曜日の何時にどこへ行けばお客さんがたくさんいるってことが頭に入っているでしょ」と私。

「ベテラン運転士はみんなそういうマル秘のネタを持っていたね。ただ、最近は世相が変わったからそういうネタも使えなくなっちゃった」
「世相って、コロナですか?」
「それも大きいね。ヒマなときはホテルかデパートで客待ちすれば、お客はワンサカいたけど、今じゃデパートにもホテルにも人はいない。駅前だっていないからね」
「たしかに」
「なんとかインっていう名前のホテルなんか、去年二つも取り壊しちゃって更地になっちゃった」
「ホテルも厳しいから」
「ただ、アパホテルっていうのは名古屋駅西口に三つもホテルを建設中だよ」
「へぇ、このご時世に?」
「あそこは儲かってるんだろうね、おそらくリニア開通後を狙ってるんだと思うよ。余裕があるね、そういうところが本当の金儲け上手なんだよな」
「リニアの開業って2027年だよね」
「順調にいけばそうらしいが、私らなんかリニアがおがめるかどうか」
「リニアに向けて駅周辺の再開発が始まってるんだね」
「いま駅の西側がゴチャゴチャでしょ、あのままじゃリニアを呼べない。私も中村区生まれだから、新幹線ができる前の駅西のことをよく覚えてるよ。戦後の闇市みたいにバラックだらけで本当に汚かった
「ずいぶん名古屋も変わったんだね」
「駅の正面はもう再開発しようがないけど、駅の西側はまだこれからだよ」

●タクシー業界もコロナ禍のダメージが大きい。
車両台数を減らし、コスト削減につとめるタクシー会社も多い。
だが、タクシー業界全体でみると、実は求人難が続いている業界でもある。
高齢化がすすみ退職する人の欠員補充がままならないところもある
徐々にではあるが女性ドライバーの比率が高まってきている。

「運転手さん、もし僕がタクシードライバーになりたいと言ったら、会社は雇ってくれますかね?」
「ほらぁ雇いますよ。一応、資格の確認だとか入社試験と地理試験がありますが、最近はナビとアプリがありますからね。楽になりました」

●配車アプリが普及したいま、道路でタクシーを呼び止める人が減ったという。
大半が配車アプリか予約センターへの電話なので、下手したら一日中無線で呼び出されっぱなしになることも。
長年の経験を武器にした土地勘などはほぼ不要になったらしい。
ましては地理も実践で覚えれば十分だ。


Warning: Trying to access array offset on value of type null in /home/xs470582/e-comon.jp/public_html/wp-content/plugins/amazonjs/amazonjs.php on line 637