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床屋のマスター

いきつけの床屋のマスター(40歳)は私の言うことを素直に聞いてくれる人でアドバイスのしがいがある。○○の本を読むと良いよと言えば次のときには本の感想を聞かせてくれる。ソーシャルに取り組むといいよといえば、早速 Facebook を始める。○○関連の株を買っておくといいよと話したら翌月には株で利益を得てもいる。今月は何も言わずにいたら、「何かないですかね」とマスターの方から聞いてきた。

「ニュースとしては宮古島に行ってきたことぐらいで特にないかな」と言うと、「ちょっと聞いて欲しいんですがね」とマスターの方から相談をもちかけた。小学生になる息子がゲームに夢中でヒマさえあれば遊んでいる。勉強も宿題もやらず熱中しているので母親がゲーム機を取り上げ、どこかにかくしてしまった。週末になるとそれを出してあげるそうだが、そんな教育方針で良いのだろうか?というのがマスターの心配事のようだ。

恥ずかしながら僕もゲーマーでしたよ、と告白しながら私はこんなことを申し上げた。

1.理由のいかんを問わず、親の強制力を行使するのはよくない。
2.子供に考えさせてあげる機会ととらえ、どうしたら勉強とゲームを両立できるかを親子で話し合おう。
3.そうして、やるべきこと(勉強や宿題)を先にやり、そのあと決めた時間内で目一杯ゲームを楽しむというルールを子供に決めさせてあげよう。
4.自分で作ったルールを自分で守ることを子供のときに体験させてあげたら大いに自信になる。
5.親も一緒になにかのルールを決めて、それを守るという姿勢をみせてあげると親子の一体感も生まれるはず。

するとマスターは、「将来、息子をゲームクリエーターにしてやれば成功するんじゃないかって思うのですがね」それは親のひいき目であって、ゲーム好き=ゲームを仕事にする、という構図がうまくいくとは限らない。

そんな話を最近してきたばかりなのだが、今朝の新聞記事を読んで少し気になった。小中学生の成績がネット依存によって低下する傾向が顕著であることだ。「だらだらネット」の時間が長いほど成績が悪化している。
→ http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013122602000132.html

昔はテレビの見過ぎが問題になり、次にゲームのやり過ぎが問題になった。だがこの二つは親の監視下にあるものだ。テレビは消せばよいし、ゲームだっていざとなればマスターの家のように取り上げれば何とかなる。だが、ネットは取り上げるのがむずかしい。パソコンやスマートフォンは勉強の道具にもなりうるからだ。その結果、子供部屋で勉強していると親は信じているが、実は子供はネット三昧に浸っているということが起きる。

子供は賢明だ。できれば上手にセルフコントロールしたいと願っているに違いない。私がマスターに提案した上記 5項目と同じスタンスで親子が話し合えばきっと解決策はあると信じている。