その他

続・これって不当解雇なの?

続・これって不当解雇なの?

●ある建設会社の社長が問題社員の行動に頭を抱えていた。
古参社員のひとりが一年前から無断欠勤したまま連絡がつかなくなった。
カ月経過した時点で自然退職の手続きをし、欠員補充をした。
すると最近になって問題社員から「来週から職場復帰できる」と連絡があった。
当惑する社長。

●実はこの一年の間に何度か労基署から警告の電話が入っていた。
問題社員が何度も労基署に足を運んでいたのだ。
監督官が社長に言うには、「社員の訴えによればお宅の労務環境は問題だらけで、抗議するために出勤ボイコットしたところ、不当解雇の扱いを受けた。正式な訴えも考えているそうだ」という。

●まさか本人から職場復帰の連絡があるとは・・・。
あわてた社長は顧問の社労士と弁護士に相談した。
すると二人の意見は分かれた。
再雇用は認めるべきではないという労務士。
一方、弁護士は裁判で戦っても必ず勝てるという見込みはないので、円満解決をはかるべきだという。

●私はこの社長が気の毒やら情けないやら、悔しいやら、はらわたが煮えくり返ってきた。
そこで、この問題に対して賢明な読者の皆様に意見を求めたのが先週の木曜日。
この数日間でなんと20通を超えるメールを頂戴した。

●問題社員を抱えてしまった社長を気の毒がる声が2~3通あったが、社長が一番悪いという声も少なくない。
そもそも労務の問題を抱えながら社員の好意にすがって経営を続けていること自体が擁護に値しないというわけだ。

●では頂戴した声の中から数通を選んでご紹介したい。
ほぼ私が申し上げたいことを代弁されている。
許可をいただいていないのでお名前は伏せてご紹介したい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・・・いつもお世話になります。岐阜県のSです。今回の労務問題(?)
はひどいですね。私的には、解雇で当然かと思います。

不当解雇とか、会社が訴えられるとか、無断欠勤を理由の解雇には
意が必要などと、少しネットを検索すれば色々出てきます。
ただ、そういった問題社員を辞めさせたいのであれば、会社都合退
で退職してもらえばよいかと思います。
当社でも問題のある社員に会社都合退職にて退職していただいたこ
が一度や二度ではありません。
解雇予告手当が30日分必要になる場合がありますが、問題社員にはお
金を払ってでも辞めてもらった方が、結局会社のためになると思う
らです。
会社都合退職より自己都合退職の方が会社的にはいいのかも知れま
んが、問題社員に時間を使うのがもったいないと思っています。
それとは別に労務問題を抱えているわけで、ここは反省し、改善し
いくべきところだと思います。

改善すべきところは改善し、問題があるなら解決する。今回、その
断欠勤の人の代わりの人の採用も完了しているならば、これ以上そ
人とかかわるだけで時間が無駄になると思います。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・・・こんにちは!Oです。

社労士さんの言われているとおり、再雇用しても何一つ良い事はな
です。裁判になって負けても良いと思います。
自分の会社で「正しい事」は何なのかを社員および関係者に知らせ
良い機会でもあります。
その社長が変わる事ができる、最高の成長の機会かも知れません。
話し合って問題が解決したとしてもそれは会社の将来にとって円満
決ではありません。社長であれば毅然と対応してほしいです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・・・はじめまして、Sと申します。
私はサラリーマンですが、いつも拝読させていただいております。
本日の問題、昨今どこの会社でも大なり小なり可能性のある事案か
思いましたので以下私見を記載します。

◇結論:社規定に従い解雇とすべき。
◇理由
 1.会社の未来を考える
  反省するどころか訴えるような事をちらつかせる社員ですから
  当該問題社員は会社の将来に悪影響しか及ば差ないと推察。
  (他社員への影響、犯罪相当の事案を起こす等)
  そうであれば、せっかくできた「解雇根拠」を活用し退社させる
  べき。
 2.他の社員への影響を考える
  1年無断欠勤しても許されるなら、もはやモラルも何もなくなっ
  てしまう。今後、他の社員に対し叱責すらできなくなってしまう。
 3.当該問題社員への影響
  今回のような事が許されるなら、更なる低モラル化を起こし、
  本人はもっとダメになってしまう。
◇留意点と影響
 ・訴えるなら、会社側も訴え返す事を示唆
  少なくとも無断欠勤による会社影響分は、換金化した上で示すべ
  き。⇒戦意を無くさせる。
  更にいい事は、既然とした態度により、残った社員のモラルが向
  上するはず。
 ・当該問題社員への対応とは関係なく、これまでの不手際を労基署
  に自ら説明に行く。
  ⇒労基署の心証を良くすると共に、問題社員の打つ手を一つ封じ
   る。
 ・その上で会社の姿勢を直す良い機会ととらえ、さかのぼれる範囲
  で過去の分も含めて残った社員に費用補償(分割払い)とする。
  ⇒残った社員の会社に対するロイヤリティーが増す(可能性あり)
◇覚悟
  本件の扱いは、今後の会社のモラルについて
  大きくマイナスにするか、大きくプラスにするかの2択しかない
  事が分かる。
  (もはや「これまで通り」という事にはなりえない)
  もしモラルアップが図られるなら、結果、今後の会社のパフォー
  マンスは上がり、収益が上がるはずなので過去のものも含めて追
  加で支払う残業手当などはすぐに回収できる(と信じる)。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

●圧巻ですね、皆さんのご意見。キレがあって最高のアドバイスです。

<あす、まだまだつづきます>