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日本に時代錯誤を感じたとき

日本に時代錯誤を感じたとき

●Zoom会議中にネットが切れる。
しかも主催者として話している最中に講師の私だけが突然消えてしまう。
そんな笑えないできごとが続いたのでNTTに電話した。
すると、「こちらで確認したところ機器に異常はないし通話が途切れる状態でないのであれば、プロバイダーの問題だと思われます」と言われた。
ルーターは何度も買い換えており、今のも買ってまだ3ヶ月だ。
回線やルーターに問題ないとしたら、考えられるのはモデムか?

●大手プロバイダーに電話したところ、2分以上コールに出ない。
「今時、2分以上待たせる会社があるんだ」と思いながら、何度かかけ直し、ようやくつながった。

●「ネットが落ちるのでモデムを交換してもらいたい。何しろ20年以上使っているので古くなっている。有償でも構わないので交換してほしい」と伝えた。
すると、驚きの返答があった。
「当方の接続は安定しております。つながったあとに切れるということは回線ですので、NTTさんに連絡してほしい」

●昔、お役所などでよくこういうことがあった。
「たらい回し」というやつだ。
こちらの状況を詳しく聞こうともせずに「うちの問題ではない」と言い切れるのがすごい。

●「NTTに先に電話し、プロバイダーに電話するように言われた」と告げると少し態度をかえた。
だが今度は「部署がこことは違うので、今から申し上げる番号にかけ直して欲しい」と言う。
徹底して「自分は悪くないし、サービスはしません」という姿勢だ

●最近、AmazonやAppleの製品サポートですばらしい対応を受けているのに慣れている。
こうした旧態依然の対応をされると腹が立つというより、「おいおい、どうしちゃった日本の大企業」と悲しい気持ちになる。
あなたの会社もやられるぞ、という気分なのだ。

●海外に行くと、「日本は病んでいる」「日本はオワコン」などと言う日本人起業家がいる。
「おい君、日本のどこを見てるんだ、エラそうなことを言うな」と日本擁護にまわる私だったが、内心では「たしかに病んでいるかもしれない」と感じることがある。

●昨日の午後もそうだった。
春に引っ越ししようと思い、相場を知るためにネットの一括見積もりサイトをつかって見積もりを集めることにした。
一度の登録で、複数の業者から見積もりが取れるなんて便利、と考えた私が甘かったようだ。
まさかこんな惨状が待ち構えているとは・・・。

●個人情報を登録して送信ボタンを押した30秒後、すぐに電話がかかってきた。
てっきり一括サイトの運営者だと思い、電話に出た。
すると業者のひとつであるエアコン業者からだった。
エアコンは何台あるか、それはいつ頃買ったものか、増設する予定はないか、などエアコンの事を細かく聞かれた。
キャンペーンの案内も聞かされた。
その間、キャッチホンの「ツー、ツー」という音が鳴りっぱなしだ。

●状況が飲み込めた私は「時間がない」と手短に切った。
次は引っ越し業者からで「見積もりにあたって詳しい状況をお尋ねしたい」という問合せだった。
電話に出たのはこの2件だけ。
その後は電話攻勢から逃げるため、携帯をフライトモードに変更した。

●2時間後、フライトモードを解除したらメッセージに着信のお知らせが21件来ていた。
夕方6時を回って、さすがにもう来ないだろうと思っていたら午後8時半までにもう6件の電話があった。(無論出なかったが)
夜中にかけて来るところはないとは知りつつ、念のためにフライトモードで眠ることにした。

●今朝も8時13分以降、7件の電話があったので、すべてを着信拒否にした。
ネットからの問合せに対して電話攻勢してくる会社に良心的な会社はないと言ってよい。

●電話以外にメールも30通以上届いていた。
こちらが本来の目的だ。
全部目を通したが、概算の見積額が載っていたは2件だけ。
あとはすべて「詳しく教えてほしい」というメールだった。
いったい何のための一括サイトなのだろう。

●今朝のスタッフミーティングでそれを話したところ、それはネットの常識らしい。
引っ越しに限らず、一括見積もりサイトの大半はそんな惨状だから使わない方が良いと逆に叱られた。

このときまた、「日本は病んでいるかもしれない」と感じた。
どうかこれ以上、そう思わせないでほしい。