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バンコクの起業家たち

バンコクの起業家たち

●昨夜はバンコクの起業家たちとミーティングした。
タイもコロナ感染は拡大しており、春の緊急事態時にはアルコールの販売も中止になった。
幸い今はお酒が買えるそうで、ミーティング後のZoom飲みではシンハービールで乾杯する人もいた。

●タイ式マッサージ店やカラオケ店などを経営するA社長は、これまでマッサージ技術の高さや接客サービスの質の高さをウリにして業績を伸ばしてきた。
しかしコロナによって来店客は途絶え、店の幾つかを閉めざるを得なくなった。
観光客がストップしてしまった影響も大きい。
今後はマッサージを訪問型に切りかえたり、グッズの販売を強化したり、日本人起業家仲間とのコラボで商品開発をするなど、生き残りを賭けた戦いが続く。

●バンコクの日本企業にタイ人材を紹介・派遣するB社長の会社もきびしい。
人材を必要とする会社が激減し売上が大幅に落ち込んでしまった。
長年の堅実経営で蓄えがあるとはいうものの、今の状態を何年も持ちこたえられる余力はない。
来年も今のようなコロナ感染が続くという前提に立って、新しいビジネスを起ちあげようとしている。
そのとき、頼りになるのは日本人の起業家仲間である。
「Bさん、こんなビジネスアイデアがあるけどコラボしてもらえませんか」といった話が幾つか舞い込んでくる。
バンコクの日本人起業家クラブの世話人をやってきたBさんの人望が、会社の窮地を救ってくれるはずだ。

●バンコクの伊勢丹の寝具フロアで長年、テナントとして寝具などを売ってきたC社長(女性)。
今年の夏、伊勢丹がバンコクから撤退してしまった。
売上の拠り所がなくなってしまったのだ。
ただ、「撤退するかもしれない」という噂は以前からあったため、C社長はバンコク版の楽天市場のようなオンラインショップに出店し、ネット販売を強化してきていた。
伊勢丹が撤退したあとも、コンスタントに営業利益を出せているのはC社長の対応力の俊敏さによるものといえる。
ただ、伊勢丹に来ていたタイの富裕層客がネットには来ていない。
若年層に客層が変わってしまった。
だからC社長が富裕層の顧客を1件ずつ回って紙のカタログを置いて配るなど、地道な営業努力をしている。
この時期、会社の支えとなる売上につながっているのはアナログ作戦によるものだ。

●そのほか、会計事務所のD社長(女性)や金融サービスのE社長、出版と市場調査を専門にするF社長や、健康経営と幸福経営を指導するG社長、不動産会社のH社長なども参加された。
コロナの影響が軽微のところもあれば、甚大なところもある。

●いずれにしろ「トップ本来の仕事は昨日に由来する今日の危機を解決することではなく、今日とは違う明日を作ること」(ドラッカー)である。
今、調子よかろうが悪かろうが、来年は変わらねばならない。
どう変わるかの計画を互いに確認し合う場が昨日のZoomミーティングだった。
昨日の場合はバンコクのB社長からの声がけで実現した企画だが、来年は私の声がけで開催するZoomミーティングも行うので機会をつくってご参加いただきたい。

募集は来月からの予定。お楽しみに!