「社員の意識改革をしたい」という話を多くの企業で聞くが、それを実現するには工夫が必要だ。
賃金制度を変えることや精神的な研修を行うことで事が足りるわけではない。ツール(道具)とシステムを変えることが大切だと申し上げた。
「ウエブキャッチ」というメールマガジンがある。静岡在住の千代田生命保険出身の山本さんが創刊された老舗のITマガジンだ。
http://www.webcatch.com/index.html
5年前のある日、山本さんの目の前に電子メールなる道具が与えられた。彼はそれをメールとして使うだけでなく、応用することによってメッセージが配信できることを知る。アメリカの知人がそうした「メールマガジン」を配信していることもきっかけとなって「ウエブキャッチ」を創刊した。このとき日本には、まだ「メールマガジン」という言葉も「まぐまぐ」も存在しない。
山本さんは冗談めかしてこう語る。
私は、「ウエブキャッチ」の発行に夢中になってしまったのですが、どうして自分が「まぐまぐ」のような会社を作らなかったのか悔やまれますね。(笑)
しかし、彼は日刊のIT情報マガジンのスタンダードを作り上げ、5万人を超える読者と、安定した広告スポンサーを得て、ひとつのビジネスモデルを作り上げた。それを基礎にして次の戦略を着々と具体化させつつもある。この山本さんの場合、インターネットと電子メールという道具そのものが、彼の意識と同時に人生までをも変えたといえる。