その他

企業と国家の威信をかけて

企業と国家の威信をかけて

●さあ10月が始まった。
国も「デジタル庁」をつくって俊敏なガバメントを作ろうとやる気になっている。
こっちも負けずに気合いを入れて新たにスタートしよう。
今朝、スタッフとそんなミーティングをした。

●自席にもどり、メルマガを書き始める。
その前にルーティーンとしてニュースと株価をチェックする。
午前9時を回るといつもなら激しく上下動を始める株価だが、今日はどうしたことかピタッと止まったまま動かない。

●「へ~、やけに静かな市場だな」と思いつつもメルマガを書き始めていたら、9時3分にGmailに着信があった。
「日経速報メール」と題し、東京証券取引所(東証)がシステム障害を起こし、取り引きが停止されているという。
同じシステムを利用している名古屋の取引所も売買が停止されたままらしい。

●「これはまずい」
短時間で復旧してくれればよいが、長びくようだと日に何兆円という取り引きがある株式市場だけに、影響が大きくなる。
何より外国人投資家に対する国家の威信というものもある。
日本のコンピュータシステムはこんな程度か、と思われたら企業だって仕事がやりにくい。

●そういう点で、国の金融システムの中核をなす株式市場が機能停止し、復旧のメドすらたたないというのはあってはならないことだ。
2010年1月に稼働した東証の新システム「アローヘッド」は2年後の2012年に最初の障害を起こした。
1台のサーバーが故障し、自動で切り替わるはずの予備機も稼働しないまま大規模障害に発展した。
当時の東証の役員が公に謝罪することとなった。

●2017年にはバックアップ拠点を関西につくるなど、万一の災害が起きてもシステムは動き続けることをモットーにしてきたのに、翌2018年にもシステムエラーを起こしていた。
そして今回の2020年10月1日事件。
このメルマガを書いている10月1日午前10時55分現在、まだ復旧していないが、一分でも一秒でも早く正常稼働するよう願っている。

企業と国家の威信をかけて。