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コロナ禍は人間禍

コロナ禍は人間禍

●小松左京のSF小説『日本沈没』がベストセラーになったのは1973年(昭和48年)のこと。
当時19歳だった私は、そんなバカな!という気持ちよりも、本当に日本が沈没してしまったらボクはどうすればいいのかと考えながら読んでいた。
そういう意味では防災意識がかすかにめばえた一冊でもある。

●ちなみに『日本沈没』は1973年3月20日にカッパ・ノベルスより上下2巻が同時発売されたときは3万部ずつの初版だった。
だが、出版社や作者の予想以上に売れまくり、結局、上巻は204万部、下巻は181万部、合計385万部の「空前絶後の大ベストセラー」となった。
作者の小松氏は一躍有名人となり、印税は一億円を余裕で突破。
壇長者番付でも5位に躍進した。

●SFとはいえ、いつか本当に実現する可能性がある。
最近驚いたのはテレビドラマ『アウトブレイク-感染拡大-』だ。
映画版の『アウトブレイク』(1995)や『コンテイジョン』(2011)も観ているが、この10話からなるドラマが一番リアリティがあった
カナダのモントリオールが舞台のドラマで制作はカナダのテレビ局
したがって本編の登場人物はフランス語だ。

●何が一番驚いたかというと、初放送が今年1月7日であるということ。
つまり制作されたのは昨年であるにもかかわらず「新型コロナウイルス」が動物から人へ、そして人から人へ感染拡大していく様子をリアリティ充分に描いているのだ。

●舞台は、人口340万人のモントリオール。
ある日、公園に集まるホームレスの間で謎の病気が広まりはじめる。
病にかかった人々は細菌性の肺炎に苦しみ、一部の患者は臓器にダメージを受けて死亡する。
謎の感染症に戦慄するなか、PCR検査を実施。
その結果、従来のコロナウイルスには該当しない「新型コロナウイルス」であることに震撼する。

●近未来SFドラマとはいえ、何たる予知能力か。
マスクが品薄になり、人々が高値のマスクを奪いあうところまで現実と同じだ。
また、病院の待合室で咳をするひとりの患者。
マスクをしろ、咳を我慢しろと要求する他の患者。
それをしない患者に殴りかかる事件が発生するなど、日本で起きた事件とまったく同じだ。

●ネタバレは避けるが、ドラマとしてのオチはきちんとしていた。
現実のコロナ禍のオチもきちんとつけられるといいのだが。
ドラマでも現実でも、もっともコワいのはウイルスではなくその周辺の周辺ドラマであることを教えてくれる秀作。

『アウトブレイク -感染拡大-』はAmazon Prime Videoなどで視聴できる。

★公式サイト ⇒ http://www.transformer.co.jp/m/outbreak/