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それ新品?

●お笑い芸人の千原ジュニアがテレビのトーク番組で興味深いクイズを出した。
こんな内容だった。

・・・
リサイクルショップでなかなか売れない商品のひとつに「ベッド」がある。
場所だけ取ってしまい、店にとっては厄介な存在がベッドのリサイクル品。
誰だって、前の利用者が毎晩横になっていたベッドを買うのには抵抗があるものだ。
だが、ひとりの店員がひねりだしたポップによって中古ベッドが俄然売れはじめた。
さてこの店員は、どんなポップを書いたのだろうか
・・・

●このクイズ、平賀源内的である。

江戸時代、夏のウナギは痩せてうまくないため避けられていた。
江戸っ子としても夏の暑い日に脂っこいものではなくさっぱりしたものが欲しくなる。
そこで、夏にウナギが売れず困っていた養鰻業者たちは天才マーケターでもあった平賀源内に相談した。
すると源内は「土用の丑に滋養強壮たっぷりのウナギを食べる」という新しいライフスタイルを提案。
それ以降、300年近く経ったいまでも私たちは「土用の丑」にウナギを食べている。

●ある意味、リサイクル店のポップもそれに近い効果があったのだが千原ジュニアのトーク相手は私と同じような回答を口走った。
「若い女性が使っていたベッドです」とか「綾瀬はるかさんが使っていた」などと回答した。
だが、いずれも正解ではない。

●ウソや誇張ではなく、中古ベッドに関する事実をきちんと伝えただけである。
にもかかわらずお客は、「考えてみたらたしかにその通りね」と納得し、リサイクルベッドを買ってくれるようになった。
その文面は中古ベッドだけでなく古着や古道具全般にも使えるものでもある。

正解は何だと思われますか?

数行下に正解がありますが、ご自分でもう少し考えたい場合は、ここから先に進むのを中断し、じっくりお考えいただきたい。

 

 

●では、正解を申し上げる。

店員が書いたポップの文面は、

『一流ホテルのベッドも皆、中古です』

●それを聞いて私は「はは~、たしかに!」と膝を打った。

新品でなきゃ、とか、誰が使ったか分からないから気味が悪いというのならホテルや旅館では泊まれないはずだ。
私は旅先での風呂上がりには備え付けのバスタオルで身体を拭くし、バスローブやパジャマに着替えるわけだが、何一つ抵抗がない。
それらも全部中古であるにも関わらずだ。

●プロが丁寧にクリーニングしてくれているという安心感があれば、新品にこだわる必要はないということだ。

「当ホテル(当旅館)はベッドもタオルもすべて新品です」
というところは世界中探してもないだろう。
タオルくらいならあるかもしれないが、新品ベッドにこだわるホテルはないはずだ。

『一流ホテルのベッドも皆、中古です』

リサイクル(中古)に対する抵抗をなくすのに最高のコピーだと思う。

●あなたもいままでの失注理由を思い出してみよう。
「たしかにその通りだ」とお客を納得させ、売れない理由をなくすことができたら売れ行きは俄然変わりだすはずだ。
まずは失注理由上位五つを書き出し、お客の考えをくつがえすような言葉を編みだしてみよう。

今日のYouTube動画

何なら口べたでもいいし噛んでもいいし小声でもいい

言葉は明瞭でメリハリがあって聞き取りやすい。
一度も噛まずに流ちょうに話すことができる。
そんな話し手になりたいものです。
しかし収入源が話すことではなく別のことであれば、「小声で口べたでよく噛む」というのも悪くありません。