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毒物犯vsOur Credo(我が信条)

●連休中に巣ごもりしながら観た映画に『レディ・ジョーカー』がある。
村薫の小説を映画化したもので、実際に起きたグリコ森永事件が題材だ。
1984年から85年にかけて日本中を震撼させて食品会社脅迫事件。
上場企業ばかりを手玉にとり続けた。

●当時30歳で、寝る時間以外は仕事ばかりしていた私。
それでもこの事件は鮮明に憶えている。
スーパーに行ってもグリコや森永のお菓子は全品回収され、売られていなかったのだ。
結局、犯人は見つからないまま事件はお蔵入りした。

●これは私の想像だが、グリコ森永事件の犯人たちは事件の2年前のこの事件を参考にしたのではないか。
それは1982年9月、アメリカのシカゴで起きたタイレノール毒物混入事件である。
ジョンソン&ジョンソン社の解熱剤「タイレノール」に何者かが毒物を混入させた事件である。

●グリコ森永事件は幸いにも事件で命をなくす人は出なかったが、タイレノール事件では7人の命が相次いで奪われた。
無論、全米のメディアが大々的にこの事件を報じた。
だが誰よりも積極的にこの事実を報じた者がいる。
それは事件の被害者でもあるジョンソン&ジョンソン社だ。
社長や幹部が連日会見を開いて事実を報じたほか、莫大な費用を投じて専用回線を設置したりTVで不買と返品を訴え続けたのだ。
結局、1億数千万ドルの費用を投じて事件の拡大をふせぎ、全米中から製品を回収し尽くしたのだった。

●事件発生当時はメーカーにやや批判的な記事もあったが、徐々にメディアはジョンソン社をたたえ始めた。
何しろ、メーカー自らが身銭を切ってケネディ暗殺事件の報道に匹敵するメディア露出をして被害者が増えることを防いだのだから。
いまでは企業事件の際の対応の手本としてこの事件が紹介されている。

●全品回収を実現したジョンソン&ジョンソンは反撃を始めた。
師やドラックストアなどに対する営業攻勢である。
そうしないと、またタイレノールに毒物が盛られるのではないかと不安が残り、他社製品にとってかわられるからである。

その後どうなったか。
そしていま、タイレノールはどうなっているか。
つづきはこちらの動画でご確認ください。

今日のYouTube動画

【タイレノール毒物犯】vs【Our Credo(我が信条)】