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利益は覚悟と自信の結果

経営数字のなかでもまず注目したいのは「粗利益(あらりえき、そりえき)」である。
別名「付加価値高」ともいわれるように、会社の付加価値の高さをあらわす指標として重視されている。

仮に90円で仕入れてきた品物を100円で売る場合は10円の粗利益しかない。
仕入れた商品を横流ししただけのことでほとんど付加価値はない。
この場合の粗利益率は10円÷100円で10%となる。
かなり低い数字だ。

一方、90円で仕入れた品物に加工を施し、特別なサービスを付加したりブランディングも加えることで500円で販売することができたとする。
この場合の粗利益率は410円÷500円で82%となる。
どちらの会社の付加価値が高いかは言うまでもない。

昭和のある時期までは品不足、物不足が続いたので、薄利多売戦略が通用した。
品さえあればお客は殺到した。
一円でも他社より安く売り、利幅を小さくすることで全国から沢山のお客を集めることができる。
その結果、利益率は下がるけれど利益額は大きくなる、という戦略である。

だが今や薄利多売は成り立ちにくく、厚利少売を指向するビジネスが多くなった。
つまり粗利益率を高め、経費率を抑え、営業利益率を高める経営である。

こうした考え方は経営者であれば理解できるはずだし、すでに充分実践しておられると思う。
ただ、幹部はどうか。一般社員はどうか
同じ認識でいるだろうか。
いまだに「うちは高いです」「安くしないと売れません」などと言う部下はいないだろうか。
稀に反対の会社を見受けることもある。
経営者がいまだに売上至上主義に陥っている会社だ。

経営者がどのような覚悟と自信をもって経営しているかが正直に表れるのが粗利益と営業利益だ。
それが長期間にわたって低迷しているのであれば、方法論はふたつしかない。

1.価格に関する方針・利益に関する方針を明文化してブレないようにする。
  ブレると人は値下げしたくなる。
2.経営者を誰かに替わってもらう

いずれにしても、経営陣と幹部、社員が同じ現状認識をもち、同じ方向を向いて努力することが大切だ。
そのためには、今日アップしたこちらの動画(約14分)を社長も社員も一緒になってみて、自社の数字を確認しながら将来の姿を話し合っていただきたいと思う。

部下と一緒に見たい「YouTube動画」

答えられます?「利益が出ているのにお金が増えないのはなぜ」
数字に強い経営者・幹部になろう。