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やる気を生む時間習慣

Rewrite:2014年3月31日(月)

完璧へのこだわりがかえってグズの原因になる。失敗したくないという気持ちがさらにグズに筋金を入れる。

『いまやろうと思っていたのに…』リタエメット著(光文社刊)という本のなかに、次のような例が出ている。

ある営業部長が、新しいオフィスを飾るために、やる気スローガンが入った額を何万円分も買い込んだ。ところが、引っ越しから5ヶ月たってもオフィスの壁は殺風景なままで、額は未開封で置いてある。たかがオフィスの壁を飾るよりも大切な仕事がたくさんあるし、人にまかせると、どこに飾るかわからない。一日延ばしするうちに、だんだん「不快な仕事」に格上げされていってしまった。

ところが、ある日の昼休み、思い切って着手してみると、あっけないほど簡単に(たった47分)出来てしまい、オフィスの雰囲気は一変。部下はやる気にあふれた雰囲気を称賛した。
この5ヶ月、いったい何だったのか・・・。

この営業部長にとって、壁を飾ることは大切なことだが、優先順位を考えると後回しになってしまう。しかも、完璧な額の飾り方にこだわるあまり、半年近くも浪費したのだ。未着手のまま放置することによって失う心の消耗は大きかったのではないだろうか。

私の知人にNさんという経営者がいる。
Nさんは、スマートフォンが苦手で仕事関係のメールは読むだけの機械でしかなかった。返信するのはオフィスのPCからしかできず、返信の鈍さがいつも後ろめたかったという。
あるとき、Nさんは決心してメーカー主催のスマホ勉強会に参加した。わずか半日の時間投資だったが、俄然スマホに惚れ込んだ。その後、特訓を積んで、幾つかの便利なアプリをマスターした。メールソフトの操作方法も学んだし、フリック入力を練習し、いまではPCより早く入力できるようになった。

ちょっとしたきっかけがNさんのビジネス環境を一変させたことになる。

経営とは仕事術の格闘技のような部分がある。知的生産性を高めるためには、時間の価値を高めることが必要だ。そのためには、今までとは違う時間習慣やワークスタイルが必要になる。

やらねばならない大切なことに今すぐ着手しよう。たとえそれが小さなことでも気になっていることはやってしまおう。