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ロイヤル・カスタマー

ABC分析という手法がある。
http://www.pu-kumamoto.ac.jp/~fujio/Excel-EXERCISE/analy/F-3.htm

この手法であなたの会社の主力製品や主力顧客を分析してみると、いわゆる80対20の法則が働いていることに気づくはずだ。

2割の製品で全体の8割の売上げをあげている
2割の顧客で全体の8割の売上げをあげている

このABC分析、多くの方がご存知なのだが、本当に有効活用しているだろうか?

名古屋のあるガソリンスタンドでは、ABC分析の結果グラフが自動的に生成されるような顧客管理ソフトが入っている。そして毎月の幹部会議では、このグラフが全員に配布されるのだ。

武沢「営業部長、このグラフから何が読みとれますか?」
部長「え~と、まず、うちの場合は80対20じゃなくて70対30だということがわかりますね。それに、上位の顧客はほぼ毎   月同じ顔ぶれだということですかね。」
武沢「なるほど。ほぼ同じ顔ぶれですか」
部長「はい、そうです。年度末には、年間合計でもABC分析していますが、毎月の顔ぶれとほとんど一緒です。」
武沢「それは面白いですね。それでは、どのようなアクションをされていますか?」
部長「特別なアクションはとっていませんね。上得意の方の来店頻度が下がった時などに訪問したり、DMを差し上げたり、時に   は電話もしていますが、決まったルールがあるわけではないです。」

せっかくのABC分析も、このように活用されていないことが多い。

そこで提言。

仮に、上位20%の顧客を「ロイヤル・カスタマー」と定義しよう。“特別なお客様”という意味だ。
この「ロイヤル・カスタマー」に対して、価値を2倍に高める作戦を考えてみようではないか。

以下の点を明らかにするのだ。

1.あなたの会社のロイヤル・カスタマーは誰か
2.ロイヤル・カスタマーは、あなたの会社のどこが気に入っているか
3.価値を2倍に高めるために何をすればよいか

ある建設会社では、「ロイヤル・カスタマー」に対してマメにフォローする作戦をとり、訪問履歴や電話履歴、メール履歴などを管理しているのを拝見した。
相手によっては、接待交際費にもお金を費やしたり、旅行やゴルフに招待するなどして、パイプを太くしようとしている。
しかし、こうしたご用聞き営業に近いかたちでのフォローにはほとんど意味がない。
あくまで作戦は、「価値を2倍」にする必要があるので、このような属人的サービスでは効果が薄い。

それでは何ができるだろうか?

答えは会社ごとに違うはずだ。

・マイレージポイントを導入する会社
・購入累計額に応じて割引率が変わる会社
・上顧客の建物設備のすべてを把握している設備管理会社
・・・etc

いろいろありそうだが、提供できるものは、次の三つに分類できるはずだ。

・「価格」の優遇
・「サービス」と「利便性」での優遇
・「専門性」での優遇

価値を2倍にした結果、何が得られるかを考えてみよう。それは購買の拡大やリピート率の向上、あるいは、別顧客の紹介などという形になって投資を上回る成果が返ってくるはずだ。

マスの時代は終わった。

マスの時代を象徴するもの、それは一物一価であり、質の標準化である。
私たちは一定の質を確保した上で、「一物三価、五価」「差別されたサービス」の開発に取り組まなければならない。
近日中には、それをWEBで実現しているケーススタディを読者投稿によってお伝えしたい。

もう一度申し上げる。

ロイヤル・カスタマーへの価値を2倍にしよう。