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中小企業のIT

平成12年8月の商工中金による「中小企業のインターネットの利用に関する調査」によれば、全産業平均で69.2%の企業が、すでにインターネットを導入済みであり、16.9%が導入を検討している。合計すると86%の企業がネットでつながることになる。

前年2月の調査に比べ、導入済み企業が20ポイント増加しており、近い将来には、ほぼ100%の企業がネットワークされることになるだろう。活用の目的としては、

1.一般的な情報収集(79%)
2.取引先とのメール(62%)
3.自社内での情報交換・共有(43%)
4.ホームページによる自社および製品のPR(37%)

などが上位にきている。

今後活用したい分野としては、

1.自社製品のBtoB販売(26%)
2.特定企業との受発注取引(25%)
3.自社製品のBtoC販売(24%)
4.自社製品に対する意見・クレームなどの受付(23%)

となっている。注目したいのは、活用方法が変質してきている点にある。「一般的な情報収集」や「メール活用」といった初歩的な活用から卒業し、その欲求が、企業業績や顧客満足に直結する分野に移行してきているのだ。

次に、中小企業庁による統計「IT化が生産性に与える効果について」をみてみたい。
インターネットは効果があるのか?という問いかけに対し、大企業と中小企業とに分けて回答結果が出ている。
(  )内の先の数字が中小企業、後の数字が大企業である。

1.業務の合理化・効率化に効果があった(83%、91%)
2.社内情報の共有化(76%、91%)
3.新サービスなどの開始(29%、55%)
4.新規顧客の獲得(24%、46%)

皆さんは以上の統計データから何がみえてくるだろうか?私の考えを整理してみる。

1.初歩段階をはやく卒業しよう
メール活用や自社ホームページの開設といった初歩段階はいち早く卒業しなければならない。そして、企業の生産性に直結す  る用途を見いだすべきである。どんな会社にもそれが必ずあるはずだ。

2.一時的な仕事の増加を覚悟し、それを突破すること
ネットを活用し始めると残業が増える。売上げが上がる替わりに仕事量が増えてしまうのだ。その結果、かえって生産性が下  がるという逆転現象がおきる。その段階でネットの可能性を限定的にみてはならない。それは陣痛だ。

3.成功事例を集める
ITによって会社を様変わりさせた企業の例を集め、自社に置き換えて考える。
例えば滋賀県の二六製作所は、磁石の専門メーカーとして法人取引だけの経営を続けてきたが、4年前に営業担当者が通常の  仕事とかけもちでホームページ開設。いまでは子供から大学教授にいたるまで、磁石に関心がある人たちのポータルサイトに  なった。その結果、同社の業績はよみがえっただけでなく、未開拓市場の一般消費者の需要を取り込むことに成功した。
さらに同社は、サイトの成功に応じて断続的に追加投資を行ってきており、一昨日は、さらにサーバー機能を強化したサイト  をオープンさせている。この4年間の体験という優位性は、かけがえのない財産のはずだ。  http://www.26magnet.co.jp/

4.知識を更新する
あなたがやってもよい、社員がやってもよい、知識と情報をもつ人がサイトを運営することになるだろう。その知識と情報   は、たえず更新されたものでなければならない。
中小企業が自社にサーバーをおくという行為も、1年前と今とではその難易度や予算に雲泥の差が出ているのだ。古い知識で  自社のサイト運営を見誤ってはならない。