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待たれる女性起業家

Rewrite:2014年3月26日(水)

テルアビブ大学のミリ・レルネル博士とヨアシュ・アヴラハミ氏の調査によれば、イスラエルでは起業家の男女比が、男性100人につき女性64人にのぼるという。この数字は、米国で60人、カナダで51人である。この国際調査は10ヶ国をカバーするもので、起業率を男女総合で見るとイスラエルはアメリカ、カナダに次いで3位だが、女性起業率では首位だ。英国、イタリア、フランス、ドイツ、日本を大きく凌いでいる。

レルネル博士は、この10年の間にイスラエル文化に大きな意識の変化があったと指摘する。それは国家創設期の社会主義から、個人主義、物質主義、独立性を重んじる新たな社会規範への脱却であるという。「いまや起業家がイスラエル文化のヒーロー・ヒロインになっている。つまり、起業家は、若い世代の多くから尊敬され見習われる役割モデルであり人物像なのです」と博士は言う。

「マザーズ・ワーク」(日経BP社刊)という本がある。
妊娠中の28才で起業し、11年後に株式公開を果たしたアメリカ人のレベッカさん本人が書いたものだ。彼女は、女性の視点でビジネスを捉えるというよりは、女性にしか分からない「すき間市場」をものにした。それは、仕事に使えるマタニティウエアだ。
しかも創業の段階から目標としていたものはスモールビジネスではなく、ビッグビジネスだった。もちろん家庭を守り、子供を育て、両親の面倒を見ながらの株式公開だ。事業のイロハも知らない、ファッションにも精通しているわけではない、そんな彼女が困難に挑み、成功したのはなぜか。

彼女は3つの単純な法則を守ったという。

1.大きな考えをもつ
2.焦点をしぼる
3.ぜったいあきらめない

アメリカといえでもビジネス社会は男性中心だ。ハンデキャップを背負いながらも乗り越えていく役割モデルを彼女は果たした。日本でも女性起業家の成功例が珍しいことではないが、世界全体のなかでみれば、まだまだ少ない。

「がんばれ!女性社長」
「がんばれ!女性起業家」