Rewrite:2014年3月26日(水)
生産性を改善していく、という企業の永遠のテーマをもう一度考えてみたい。生産性とは、一人あたりの年間稼ぎ(粗利益)のことだ。公式は次のようになる。
・生産性=会社の年間粗利益÷社員数である。
それを分解すると、
・生産性=(売上高×粗利益率)÷社員数 となる。
更に分解すると、
・生産性=(客数×客単価×粗利益率)÷社員数 となり、
もっと分解すると、
・生産性=(《新規客+既存客》×一品単価×買上点数×粗利益率)÷社員数 となる。
小売業を例にとれば、生産性向上のための課題として次のような行動を検討せねばならない。
1.客数を増やす仕組みを作ること
・新規客・・・今までお客でなかった人を来店させる仕組み
・既存客・・・一人の顧客の来店頻度を高める仕組み
・来店客を購買客につなげる仕組み
2.客単価を上げる仕組みを作ること
・顧客一人あたりの買い上げ品数を増やす仕組み
・商品の単価を引き上げること
3.粗利益率の改善をはかること
・商品の原価率を下げる仕組み
・高い粗利益率の商品を主力にする仕組み
・粗利益ミックスの技術で価格にメリハリをつける
4.社員数を減らす仕組み
・文字通り社員数を減らすこと
・直接部門と間接部門の比率を見直す(販売部門と事務部門)
・パート比率の向上
・外部社員の活用
以上は小売業の例だが、それぞれの業種にあてはめてお考えいただきたい。
名古屋市に本社をおく家電ディスカウント店のA社では、これらの取り組みを徹底して行っている。
「客数を増やす仕組み」を考える際、普通の会社なら
1.チラシを投入する
2.宅配ビラを配る
3.テレビ・ラジオなどで宣伝する
4.ハウスカードを発行する
・
・
など、ありきたりな10種類程度の知恵しか出てこないはずだ。しかしこのA社では、「1.客数を増やす仕組み」だけで200程度のアイデアがある。また、その中の「テレビ広告をする」というひとつの取り組みだけでも、徹底したユニークさがあり、忘れることのできないコマーシャルばかりを作る。広告代理店のアイデアを競わせる仕組みもあるのだ。
また、「4.社員数を減らす仕組み」でもメーカー社員の店頭応援など、これまた100種類以上の知恵を駆使して社員数の増加を防いでいる。この社長の、生産性改善に賭ける情熱と緻密さ、それにこだわりには脱帽ものである。
生産性の改善というテーマを通りいっぺんの方法でやり過ごしてはいけない。
社内でブレーンストーミングし、ありとあらゆる選択肢を紙に書き出すと良い。そうして出来上がったアイデア集は、あなたの会社オリジナルの経営ノウハウと呼べるものである。うまくいったものを残し、そうでないものを捨てていけば良い。すべてのことをやったがダメだった、という会社はない。ほとんど何もやってない会社の方が多いのである。