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チェルノブイリとフクシマ

英国HBO製作のドラマ『チェルノブイリ』の評価がすごいと聞いてさ
っそくPrimeビデオで鑑賞した。
いやはや、想像以上に凄くてビックリした。
これは1986年4月26日(土)午前1時23分(モスクワ時間)に、ソビエ
ト社会主義共和国(ソ連)のウクライナにあるチェルノブイリ原子
発電所4号炉で起きた原子力事故をドラマ化したもの。

未曾有の原発事故の発生に冷戦下の旧ソビエト政府が事態を隠ぺ
しようとする中、被害の拡大を少しでも抑えようと必死に戦った英
たちがいた。あのとき現場では何が起きていたのか。

「チェルノブイリ」。
33年前の出来事ゆえ、事故が風化しつつある。当時32歳でもうすぐ挙
式をひかえていたが、ソ連でとんでもない事故が起きて挙式ができ
かどうか心配した。日本にも放射能の雨が降るので外出を控えるよ
に報じられたこともあった。

それにしてもこのドラマはお見事だ。大事故に直面しての人間の
かさ、そして強さと美しさ。それらが交錯し、息を飲む場面の連続
過剰な演出はないが大部分が実話とあって、見るものがうける衝撃
ことさら大きい。
アメリカのレビューでIMDb過去最高の9.7点、Rotten Tomato も98%と、
ドラマ史上最高評価を受けたのもうなずける。
このドラマを観てしまうと、しばらくは普通の映画やドラマがいか
もお芝居候にみえてしようがない。

★ドラマ『チェルノブイリ』
→ https://www.star-ch.jp/drama/chernobyl/

このドラマを経営者は観るべきだと思う。なぜならチェルノブイ
は天災ではなく人災だったからだ。私たちの身の回りに起きる出来
の大半も人災である。
起きるはずがないことが実際に起きる。あってはならないことが実
にある。そのとき人間はどう動き、どう対処すべきか、このドラマ
教えてくれる。

チェルノブイリ原発の原子炉は応急的に石棺(せっかん)で覆わ
ていたが完全なものではなく、最近になって巨大シェルターで全体
覆った。

そんなチェルノブイリだが、いま、観光地として人気化している
をご存じだろうか。
2010年12月21日より、ウクライナ政府は正式にチェルノブイリ原子力
発電所付近への立ち入りを許可した。もともと半径30キロ以内は立入
禁止だったが、発電所付近の放射線レベルが低くなったことからキ
フからのツアーが催行され、2018年には約7万人が訪れたという。

日本でも同様の計画がある。
福島第一原子力発電所の事故から25年経過した2036年に跡地周辺を観
光地にする構想がある。図らずも「フクシマ」を世界的に有名にし
しまったこの事故の記憶を人々が継承するための場所にしようと、
間人が企画したもの。

★福島第一原発観光地化計画
→ http://fukuichikankoproject.jp/project.html

商業主義での観光地化ではなく、風化する事故の記憶を継承する
めのメモリアルなのであれば意義深いことだと思う。
日本でも来春、映画『Fukushima 50』3.11福島第一原発で戦い続け
た50人を描く、が公開される。佐藤浩市、渡辺謙らが出演することも
あって注目されている。

★映画『Fukushima 50』→ https://www.fukushima50.jp/

被災者とそのご家族が大変な思いをされるなか、観光地化や映画
に素直になれない気持ちがある。同時に、事実から逃げることなく
視する勇気を求められている気もする。あなたはいかがだろう。