人前で話すときは、大きな声で滑舌良く話そう。それが一般常識
ある。
私も話すときには聞きとりやすく分かりやすい話し方を心がけてき
つもりだ。だが何事につけても例外があるようだ。
昨夜、高収益トップ3%倶楽部の石原明さん、質問型営業の青木
んと一緒にセミナーを開催した。三人がどのようないきさつでコン
ルタントになり、なぜ今まで活動を続けてこられたか。
経営者に一番訴えたいことはなにか、などについてお伝えする2時
のセミナーだった。
セミナー後はさらに2時間の懇親会があった。
めずらしいことに二次会にはほとんど出ないお二方も22時のおひ
まで参加するというレアな機会になり、楽しくて刺激の多い時間に
った。
「武沢さん、人前で話すときは小声の方がいいよ。しかも滑舌が
くて聞き取れないぐらいのほうがいい」と青木さん。
そういう青木さんも声が大きくよく通るではないか。
いや、ぼくのことじゃない。石原さんだよ。
彼は声が小さくて聞き取りにくいでしょ。だから、石原さんのセミ
ーは前から埋まるし、懇親会は石原さんの回りから埋まる。(笑)
横で聞きながらも石原さんは否定しなかった。
隣のひとに話すようなあの独特の石原流話術は意識してそうしてい
ようだ。
そういう青木さんの話術は滑舌よく、明るく話すので人を惹きつけ
その裏には落語があるという。
落語を今も勉強しておられるそうで、早口に一気にまくしたてると
ろと、じっくり間を置くところや声の強弱など使い分けているとい
青木さんはあるとき、プロの噺家を招いて落語研究会をシリーズ
催した。同じネタを覚えてきて、同じように話す。なのに凄く面白
て笑える人と、まったく笑えない人があらわれる。
その差は表情や仕草もあるが、なによりも「間」が大切であること
学んだ青木さん。
横で聞いていた石原さんは「僕が話術の手本としていた人も落語
勉強していて、僕もすすめられたことがある」という。
まさか落語という共通テーマがあるとは思わなかったが、実は私も
語が大好きでiPhoneの楽曲の半分は落語だ。
好きな噺家は「志ん生」「志ん朝」「小三治」「志の輔」の四人。
それぞれタイプは違うが彼らの世界観が好きだ。
マンダラチャートの開発者松村寧雄先生の話術も楽しく愉快で笑
が絶えなかった。
あるとき、話術の秘訣を尋ねたら「落語が大好きです」と言われた
そのころは落語の知識がゼロだった私は「誰の落語を聞けばいいで
か?」と聞いてみた。すると「志ん生」(古今亭志ん生のこと)で
な、と即答された松村先生。
その日、志ん生落語をTSUTAYAでレンタルしiPhone
みた。すると松村先生がそこによみがえった。
志ん生落語は松村先生のセミナーの雰囲気にとてもよく似ていたの
偶然か、それとも・・・。
松村先生のセミナーを聞いたことがない方は志ん生落語を聞くこと
その世界観がつかめる。無論、話される内容はまったく違うが。
《今日のポイント》
いつも声を張るのがいいとは限らない。
特に、大切なことほど小声で話せ。
滑舌が悪くてよく噛む人も、気にする必要なない。(特にコンサル