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続・経営思想に関する問題

経営思想には正解も不正解もない。したがって私の考えと異って
ても問題はない。ただ、どうしてそのように考えるのか、筋が通っ
いることが大切で、リーダーとしてはその説明責任が問われる。

では1問目。

「仕事は最終成果が大切なので、経営幹部はどのような手段をつか
てでも最終成果を出すことが求められている。

これは「いいえ」である。

「最終成果」が売上や利益などの業績であろうとも、顧客満足など
情緒的なものであろうとも、手段に関係なくそれを達成すればよい
けではない。
手段のなかにこそトップや会社の思いが色濃く入っていることが多く、
手段は問わないから結果を出せ、というリーダーがもしいたら、金
切れ目が縁の切れ目タイプのリーダーと思って離れたほうがよいだ
う。結果も大事だが、プロセスはもっと大事なのである。

次の2問目。

「先月の営業利益目標は1,000万円だったが実績は700万円に終わった。
目標未達ではあるが、まずは700万円の利益を出したことはきちんと評
価してあげるべきである」

これも「いいえ」である。

会社が掲げる利益目標は単なる努力目標ではないし、たくさん儲け
いという我欲からくる目標でもない。そうした会社もあるかもしれ
いが、資金計画から逆算して利益目標がつくられていることが多い
だ。
利益の中から税金を払い、残った純利益から銀行への返済元金を返し、
配当や役員賞与なども払う。そうして残った手元資金が前年より増
ていることをキャッシュフローがプラスという。資金力が増えれば
社は倒産しにくくなるし、設備投資や待遇改善の元手になる。
そのような計画のもとに設定された1,000万円という利益目標が700万
円で終わった場合、「黒字には違いないから評価すべき」とはなら
い。ひょっとしたら借入元金の返済もままならず、返済のためにま
借入を起こす必要がうまれる可能性がある。
よって利益目標は儲けの目標ではなく、努力目標でもなく、必達の
標である。700万円の利益で喜んでいる場合ではない。

s次は3問目。

「会社は永続的発展をめざす。事業承継時に先代社長が大切にすべ
ことは、理念やビジョンを承継してくれる人材を選ぶことである。
画や方法論についてはあまり口出しせず見守った方がよい」

正解は「はい」である。

承継は単なる社長の若返りではない。会社の思想や哲学の承継が行
れることで、人間の寿命は限界があっても企業は存続・発展し続け
ことが可能になる。
先代社長と後継社長との間で極端な方針転換がないようにしたい。
れさえ確認できていれば、それ以外はあたたかく見守る度量が先代
必要である。
ときどき口出ししすぎて現場が混乱したり、反目がつづいて周囲を
ヤヒヤさせるケースがあるが、引き際の哲学と次の人生ビジョンを
たないと、いつまでも先代は現場に未練を残すことになる。

<4問目、5問目の回答はあすに>