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あるビジネスモデル

Rewrite:2014年3月30日(日)

仮にあなたが経営者向けの新聞を発刊するとしよう。
明るく元気な話題でうめつくされた新聞を毎月出して、日本の社長に元気になってもらいたいとする。そして、もっとも早い方法で月刊3万部を発行し、ニュースソースにも困らないで済むようにするためには、あなたは何をするだろうか?

実はそれを実現している新聞者が実在する。「日本一明るい経済新聞」(産業情報化新聞社)という月刊紙である。文字通り、明るいニュースと明るい経営者ばかりが登場するこの新聞の発行部数は3万部に達している。もともと新聞社の出身なので編集執筆はお手のもの。

普通の新聞なら採算ベースに乗せるためにいくつかのハードルがある。ひとつは、ニュースソースをどうして見つけ、紙面を充実させるかという問題。そして、どうやって読者数を増やすかという問題。いずれもが、採算に乗せるためには避けて通れないテーマのはずだ。

しかし、竹原さんはこの二つともすでに難なくクリアしている。というより、最初からそうしたことで困らないような仕掛けになっているのだ。基本的にバラ売りはせず、月額購読料を払って読む。
「日本一明るい経済新聞」の場合、なんと大口顧客の何社かで大半の部数がさばけているそうだ。生命保険会社や人材派遣会社と大口契約しているというのだ。それらのクライアントは、顧客サービスのためのツールとしてこの新聞を配付しているというのだ。他にはない差別化された新聞なので顧客からも重宝されているという。

「うちも取材してほしい」とリクエストされることも多いのでネタにはあまり困らない。もちろん、取材が決まれば竹原さんが出向く。もちろん新聞なので広告出稿もできる。

「武沢さん、ネットワーク時代だからこそ紙媒体が強みを持てるとちゃいますやろか。私がめざしているのはメディアベンチャーですから紙とネットをミックスさせた面白いことをいろいろやっていきますわ」

竹原さんは昭和23年生まれだそうだが、子供のように目をキラキラさせながら語ってくれた。